約 1,236,891 件
https://w.atwiki.jp/gaseousform/pages/117.html
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/1761.html
【検索用 つまんね 登録タグ 2008年 NexTone管理曲 VOCALOID つ オワタP 亞北ネル 初音ミク 弱音ハク 曲 曲た 殿堂入り】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:オワタP 作曲:オワタP 編曲:オワタP 唄:亞北ネル(初音ミク)・弱音ハク(初音ミク) コーラス:初音ミク 曲紹介 曲名:『ツマンネ?』 オワタPのツマンネシリーズ第3弾。第1弾、第2弾、第4弾はこちら。 ネルのツンデレっぷりが存分に発揮されている。 ネルオリジナル曲では初の殿堂入りを果たした。 歌詞 ハク: 本日はツマンネ動画に 誤アクセスいただき 誠にありがとうございます 大変申し訳ございませんが この動画は… この、動画は…… ネル:邪魔だよ! ハク:アーッ!ツーマーンーネー… ネル: はっはー 突然だがこの動画は この亞北ネル様が 乗っ取った! さぁどうしてやろうか? 工作するか? それとも通報するか? よーし、行くぞぉ! 3 2 1 Go!! (工作工作工作工作……) 防火ロイド (工作工作工作工作……) 亞北ネル ウーツマンネ ウッウーツマンネ ウーツマンネ ウッウーツマンネ あなたの名前はなんてぇの? 亞北ネルだよ よろしくね 得意な分野は印象工作 携帯電話は手放せない 上京してからこの方固定で 時給はたったの700円 こんなことしてる暇じゃないけれど 夢叶えるため頑張るよ あいつがにくい あいつがにくい 緑の髪した あいつがにくい アホした顔して ネギ振り回して 人気をとってる あいつがにくい 無免許運転 絶対反対! 黄色い髪した双子がにくい 酒乱の女に アイスの男 それでも人気な年増がにくい! ウーツマンネ ウッウーツマンネ ウーツマンネ ウッウーツマンネ ホントはミクが大好きなんだ 恥ずかしいから言わないけれど リンとかレンも大好きなんだ 陰ながら応援しています MEIKO KAITOも大好きなんだ 悪口なんか言ってゴメンね 工作はもう 亞北ネル ハク:ツマンネ ネル:ちょ、待てぇぇい! なぜお前が出てくる! ハク:あ、いや…… ファンの期待にこたえて…… ネル:うるさい! 言いたかったのに! 言いたかったのに! お前なんかキライだ! 大っキライだ!! ハク:ご……ゴメンね…… おまえがにくい おまえがにくい ツマンネいってる おまえがにくい おまえがにくい おまえがにくい 弱音を吐いてる おまえがにくい おまえがにくい おまえがにくい なぜか人気ある おまえがにくい おまえがにくい おまえがにくい なぜか愛される おまえがにくい お前はライバル わたしのライバル 派生の中でも 公認されてる なのにおまえは いろいろ歌って ちゃっかり人気を ひとりじめしてる わたしも人気になりたいよ そして みんなにちやほや されたいよ だけど みんなに見向きも されないよ だから わたしも弱音を 吐きたいよ! ウーツマンネ ウッウーツマンネ ウーツマンネ ウッウーツマンネ ホントはみんな大好きなんだ 恥ずかしいから言わないけれど ハク姉さんも大好きなんだ 陰ながら応援しています あたしもみんなに好かれたいよ 悪口なんか言ってゴメンね 工作はもう 亞北ネル ハク・ネル:せーのっ ツマンネ ハク:ネル……? ネル:え…あ…… ち、違うぞ……! い、いまのはナシだ! カンチガイするなよ! べ、別にそんなつもりで いったんじゃないぞ! ハク:ツンデレ? ネル:うるさい! ハク:あ~ ツ~マンネ♪ ふふ★ ネル:バカァー! コメント 歌詞のミスを発見したので訂正。…といっても細かいところですが。ありませんが⇒ございませんが に -- 名無しさん (2008-07-29 02 06 24) ネルかわえぇ。 -- 名無しさん (2008-08-20 09 30 25) ツマンネwww -- 名無しさん (2008-09-05 04 28 56) ネルいい!かわゆううう -- 名無しさん (2008-09-27 15 25 09) 歌詞長くね? -- 名無しさん (2008-11-08 19 21 40) よく喋るネルだよなぁ。可愛いなぁ -- 名無しさん (2008-11-12 22 07 27) ハク&ネルかわゆい! -- 名の無い人 (2008-12-13 07 31 22) これ大好きです!! -- haruka (2009-01-05 17 28 10) ちゃっかり全部歌える。 やべーネル可愛すぎww -- 羽入 (2009-02-12 20 10 28) ネルつんでれかわいーー\\\\ハク姉さんキレー\\\\\ -- 27 (2009-02-15 15 27 51) ネルめっちゃツンデレw -- 麻悠仔 (2009-02-23 12 03 42) 早口すぎてうたえん; -- 葉流 (2009-03-22 22 33 20) 殿堂入りおめ -- 名無しさん (2009-03-30 10 17 58) ツンデレいいわーかぁいい -- 空 (2009-05-06 21 12 41) だいすきだいすき -- 名無しさん (2009-05-31 09 17 35) ネルかわいすぎww -- 名無しさん (2009-06-21 00 11 50) ツマンネ。飽きた。寝る -- 名無しさん (2009-07-06 00 55 15) ツンデレキター(>ω<)ハク姉きゃわいい -- 恋は危険 (2009-07-15 19 49 49) -- かわいいねえかわいいねえかわいいねえかわいいねえ (2009-08-22 22 33 58) ネルテラカワユスwwww -- 名無し (2009-08-25 19 26 56) 歌ってみた。息つぎできない。はやすぎてうたえねえ -- おりんぽい (2009-09-11 22 35 11) ネルのツンデレめっちゃ萌える(≧∀≦) -- 嬢咲姫香 (2009-10-07 09 51 25) 工作・・・・って長っ -- レア (2009-10-08 10 22 03) ネルかぁいいwwwデレ多しw -- 流れ弾 (2009-11-07 00 06 15) ツンデレ萌え -- kaiko (2009-11-07 08 28 19) ツンデレ。ネル好きだww友から「ネルに似てる」と言われ親近感わいたww -- 朱雀 (2009-11-13 20 51 52) ネルかあいい~♪ボカロ(派生だけど)の中でいちばんかあいいよ~ -- 1021 (2009-11-15 17 18 26) ウケルww -- ! (2009-11-17 08 33 49) ネル一番好き☆好きとかより愛してぅ -- ネルな (2009-11-23 09 51 32) おもろい -- ちゅか (2009-12-04 20 42 15) 誤アクセス吹いたwwwww -- 名無しさん (2009-12-05 20 25 16) 可愛い!二人共いいなぁ☆この曲大好きです♪ -- パンドラ (2009-12-10 20 11 28) ネル―――――!! キタコレwww -- こーりん (2009-12-14 16 45 13) ツンデレやっべぇWWネルかわいすぎW -- ネルは俺の嫁w (2009-12-20 20 10 24) ネルの漢字読めない -- 名無しさん (2009-12-28 10 49 12) ニャ~~キターーーー可愛ええwww -- 漆黒蝶 (2010-01-03 19 56 35) カラオケ配信おめでとう -- 名無しさん (2010-01-10 17 22 16) 配信されたん? -- 名無しさん (2010-02-05 16 43 56) 早口すごーーー!! -- 魅羅 (2010-03-01 17 58 57) ツンデレ~ww かわいすぎ>< -- 名無しさん (2010-03-01 19 21 38) ネル萌えwwwこれ聞いて好きになったw -- 名無しさん (2010-03-01 21 55 50) ネル可愛すぎるっ!! -- ちぃ (2010-03-11 07 09 54) ネルかわいすぐる^q^← -- ネル萌え (2010-03-13 11 32 32) ネルの一人称のところ、「わたし」じゃなくて「あたし」ですよね? -- 名無しさん (2010-04-01 12 13 11) ネル かあいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ -- 鬼髪 ルナ (2010-04-12 17 28 56) ネル川湯川湯//// -- おわたおわた (2010-04-26 14 19 11) カラオケ歌ってきた!!!!! -- 白 (2010-07-26 00 45 39) ネルかぁいいぃぃぃ♡ -- 名無しさん (2010-08-08 12 41 40) ネルちゃんかわいい~? -- 名無しさん (2010-09-26 20 06 00) ネルかわゆすーーーーーーーーーーーーーーーーー -- 名無しさん (2010-09-26 21 36 03) ネル可愛い∀〃 -- 綾乃 (2010-11-07 02 35 24) 工作工作工作…のとこ速すぎて歌えんwwwwww -- ゆゆか (2010-11-19 07 49 43) ネルかわええ!あきーたーねるだよよろしくねの所好きだ -- 之 (2010-12-16 18 14 37) あ?ツマンネ♪(^ー^*) -- 名無しさん (2010-12-23 23 16 30) 歌詞、ウ~というかフ~って感じに聞こえるのは私だけ?Hmm~みたいな -- ハクLOVE (2010-12-31 08 32 42) それでも人気な年増がにくい!なんて読むの? -- スズ♪ (2011-01-02 18 29 38) ↑「それでも(にんき)な(としま)がにくい!」だと思いますよ。 -- 影宮ハルカ (2011-01-16 10 44 56) ↑ありがとぉございます♪ -- スズ♪ (2011-01-21 11 21 06) お前はライバルわたしのライバル じゃなくて おまえはライバルあたしのライバル じゃないですか?些細ですが・・ -- 名無しさん (2011-02-11 17 08 37) ツンデレなネルちゃん大好きです・・・!! -- いっちー (2011-03-31 12 46 10) うぅ~!!ツンデレ萌っ!!! -- 狩野 宙 (2011-03-31 20 10 42) 工作がこうしゃくになる しかも く が小さい声ににゃる あれ?呂律回んにゃい -- ルナ (2011-03-31 20 36 51) ツ ン デ レ !!可愛いww -- まくら (2011-04-16 15 18 10) ネルかわぃいo(>∪<)o≡≡≡www -- 恐怖のプチトマト (2011-04-29 22 41 59) この曲love? -- 美咲妃 (2011-05-03 12 21 38) カラオケ、台詞部分楽しすぎたw ネル可愛いー!! めっちゃくちゃ可愛い!! これ聞いてネル好きになった!! -- とある演劇部員 (2011-05-15 17 06 16) この曲いい!!ネルいいですよね? -- みりあ りみ (2011-05-15 18 23 40) あきた、ネル! -- 鬼兵隊 (2011-07-09 10 34 35) ツンデレ!!!!工作wwwwかわいい曲 -- 名無しさん (2011-07-22 22 38 38) ネルもハクも派生だけど可愛いし、多くの人に認めてもらってるからすごいです! -- 友音 (2011-07-24 14 35 11) ネルぅ! -- Aチュウ (2011-08-14 16 11 55) めっちゃ好き♪ -- 名無しさん (2011-10-13 19 09 58) ネルとはく可愛すぎる・・・体格差に燃える -- 琴 (2011-10-28 11 06 57) はぁぁぁくうぅぅぅさぁぁぁぁまぁぁぁぁ!( -- アオダイショウ (2011-12-24 15 33 29) ツンデレのネルが可愛い。巨乳のハクもラブリー。ツマンネ?いやいや、タマンネ。 -- 竜奇 (2011-12-25 15 18 51) ネルが可愛すぎて死にたい -- ツンデレ(*´д`*)ハァハァ (2012-01-21 00 38 08) ネルちょーーー可愛い!! -- 舞舞@ (2012-02-27 17 10 11) ネル可愛すぎるよ?(〃'▽'〃)ヤバい(〃'▽'〃) -- 名無しさん (2012-04-08 13 44 18) ネルちゃんの「Go!!」の部分と「バカァー!」が可愛いすぎてどうにかなりそう。イヤ、もうすでになっている。 -- オワタPさんサイコーvv (2012-07-07 16 06 06) ネルのせいで最近の口ぐせ「飽きた。寝る」なんだけどw -- 祭音ネコ (2012-07-09 00 56 03) 3,2,1,GO!!のテンション↑↑っぷりが可愛い。うん。可愛い。 -- 亜種 (2012-07-10 00 08 43) ネルちゃん大好き!! -- 名無しの??? (2012-09-18 23 03 02) デレの部分は覚えた~~ -- 名無しさん (2012-09-25 21 00 53) 最後なんかなんて言ってるのかわかんなかったww -- hu (2012-10-27 17 35 28) ネルちゃんって、ツンデレだったけ?まあ、可愛いから何でもありだ!(*´ω`*) -- 初音がくぽ (2013-02-17 10 24 50) ネルかわいいよ―(*^ω^*) -- 名無しさん (2013-06-02 22 25 27) 『あなたの名前はなんてぇの? 亞北ネルだよよろしくね』のトコのテンポがハマる。 -- 名無しさん (2013-06-02 22 36 27) 俺は、ハク好きすぎて -- モッタ (2013-07-02 21 02 33) テンポがいい♪ -- ジャックスパロー (2013-11-28 00 27 31) ネルCawaii! -- さくらんぼ (2014-01-16 21 01 10) ネルちゃん大好きだよ!全国にはネルちゃんファンがこんなにいるぜ! -- ネルちゃん愛し隊111号 (2014-03-15 17 04 55) この曲でネルのことが好きになった! -- 月影 (2015-05-29 21 23 12) 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4548.html
※最初で最後のゆっくり虐待に挑戦中です。 ※どくそ長いです。 ※うんうん、まむまむ描写あり。 ※標的は全員ゲスです。 ※虐待レベルはベリーハードを目指します。 ※以上をご了承頂ける方のみどうぞ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『永遠のゆっくり』18 荒涼たる岩場とゆっくりプレイスを隔てるマジックミラーは、 一日のうち一度、三十分程度のわずかな時間だけ透明なガラスになった。 ゆっくりプレイスの中では、Y飾りのゆっくり達が、 山ほどのあまあまと遊具で、存分にゆっくりを堪能していた。 楽しげな話し声や室内の音楽も聞こえてくる。 「れいむもいれてねええ!!ゆっくりしたああいい!!」 「おなかすいたあああぁぁ!!あまあま!!あまあまわけてぇぇ!!」 「おでがいじばず!!おでがいじばずうう!!めぐんでぐだざいいいぃ!!」 ガラス越しに群れのゆっくり達は懇願したが、 聞き入れられないどころか、嘲笑と罵倒をもって応えられた。 懇願のうちに三十分は過ぎ去り、壁は再び鏡に戻る。 例え侮蔑と悪意を向けられていてさえ、 極上の美ゆっくりであるY飾りのゆっくり達の姿そのものが、 群れのゆっくり達にとってはゆっくりできるものだった。 壁が鏡に戻る瞬間、 ゆっくりプレイスは内部の音も含めてすべてこちら側と遮断される。 群れのゆっくり達はその時、眼前の鏡に移る自分たちの、 痩せて汚れた、涙に濡れるみすぼらしい姿を見せつけられた。 ゆっくり達はそんな自分を嫌悪し、みじめな気分になり、 なるべく鏡と離れ、岩場の真ん中で日がな一日泣きじゃくった。 どこを向いても、目に映るのはぶざまで醜い自分たちだった。 互いの姿が醜く思え、口を開けば愚痴や喧嘩ばかりだった。 家族と一緒にいても、何をしても、 脳裏にあのゆっくりプレイスが常にちらつく状態では全くゆっくりできなかった。 今となっては、あの三十分だけが唯一の楽しみだった。 あの美しいY飾りのゆっくり達を見てゆっくりしたい。 ゆっくり達は毎日それだけを楽しみに待っていた。 一週間近く何も口にせず、ゆっくり達はほぼ餓死寸前だったが、 食欲よりもむしろ、その渇望のほうが強かった。 一週間が過ぎたその日に、変化が起こった。 群れのゆっくり達が透明なガラスに張り付いてゆっくりプレイスを眺めているとき、 突然Y飾りのゆっくり達が騒ぎはじめた。 「ゆっ!!にんげんさんがきてくれたよ!!」 「ゆゆゆっ!!いそいでおむかえするよ!!」 ゆっくりプレイスの中に人間が入ってきていた。 大人のメスだ。 たちまちのうちにゆっくり達がプレイスの床で整列し、 人間を前にしてはきはきと挨拶をした。 「にんげんさん!きょうもきてくれてありがとうございます!!」 「「「「ありがとうございます!!」」」 「にんげんさんのおかげでゆっくりできます!!」 「「「「ゆっくりできます!!」」」」 お姉さんがそれに答えた。 「はいはい、ゆっくりしていってね」 「ゆっくりおめぐみありがとうございます!! ゆっくりさせていただきます!!」 異常な光景だった。 あんなにゆっくりできるY飾り達が、ゴミクズの人間に挨拶をしている。 群れは戸惑う。特に親れいむ達には理解不能だった。 とはいえ、群れのゆっくり達はそれを千載一遇のチャンスと捉えた。 人間に命令すれば、中に入れてもらえるのではないか。 なにしろ、可愛いゆっくりをゆっくりさせることは他種の幸せなのだ。 断られることは考えられない。 「ゆっくりしていってね!!」 親れいむは大サービスで挨拶をしてやった。 まずは可愛い姿を見せてやり、メロメロにしておくのだ。 人間とY飾り達の視線が一斉にこちらに集まった。 そして、Y飾り達が叫び始めた。 「ゆっくりできるわけないでしょおおお!?」 「なにがゆっくりしていってなのおおお!? おまえらがいるとゆっくりできないんだよ!!」 「おまえらににんげんさんをゆっくりさせられるとおもってるのおおお!? うすぎたないごみくずがおもいあがらないでねえええ!!!」 「ゆゆゆゆ………!?」 れいむ達は狼狽した。 たとえY飾りに比べれば醜かろうと、まがりなりにもゆっくり。 人間が自分たちを見てゆっくりするのは確実だろうと思っていた。 当のお姉さんも、苦笑まじりにこちらを見ているだけで挨拶には答えない。 しかし、ゆっくり達はこのチャンスにしがみつき、 お姉さんに向かって食事を要求し始めた。 「おねえさん!!かわいいれいむのためにあまあまをもってきてね!!」 「まりささまはおなかがぺこぺこなんだぜ!!はやくするんだぜええ!!」 「れいむはしんぐるまざーなんだよ!!かわいそうだとおもわないの!?」 「ゆがあああああああああぁぁぁ!!!」 吼えたのはY飾り達だった。 ぎょっとして硬直しているうちに、Y飾り達は猛烈な勢いで扉に殺到し、 扉を開いてこちらになだれ込んできた。 「いいかげんにしろごみくずどもおおおぉぉぉ!!!」 Y飾りのまりさが、群れのゆっくりに体当たりを見舞った。 通常のゆっくりよりもはるかに強烈な衝撃に、 喰らったまりさが歯をまき散らしながら大きく吹き飛ぶ。 「にんげんさんにそんなくちをきいていいとおもってるのかああぁぁ!!」 「このごみくずどもが!!にんげんさんにっ!!あんなことを!!あんなことを!!」 「なにがしんぐるまざーなの!?ごみくず!!もういちどいってみろおぉぉ!!」 「ゆびぇええええええええーーーーーーっ!!?」 Y飾り達のリンチが群れのゆっくり達を蹂躙した。 吹き飛ばされ、踏みしだかれ、噛みつかれる。 巧みに致命傷を与えることだけは回避しているようだが、群れのゆっくり達はも激痛に泣き喚いた。 「やべで!!やべで!!ぼうやべでぐだざいいいいい!!!」 「ゆっぐりでぎないいいいい!!ゆっぐりざぜでええええ!!!」 「ごべんなざい!!ごべんなざい!!あやばりばずがらゆるじでぐだざいいい!!!」 親まりさが叫ぶと、Y飾り達は暴力の手を止めて問い詰めた。 「なにがごめんなさいなの!?はっきりいってね!!」 「ゆっぐ、ゆっぐ………うずぎだないごみぐずでごべんなざい………」 「ちがうでしょおおおぉぉぉ!!!」 「ゆびぇえええぇぇぇ!!」 再び体当たりを受け、親まりさが転がされる。 「おまえらごみくずなんかが!!にんげんさんにためぐちをきいたからだよ!!」 「ゆ、ゆ……?」 「あまあまをもってきてねだって!? なんでおまえらなんかににんげんさんがあまあまをもってきてあげなきゃいけないの!?」 「ゆ、ゆ、ゆっくり……れいむはゆっくりできるから……にんげんさんが……」 「だまれええええぇぇぇ!!」 「ゆぎゅっ!!?」 今度は口を挟んだ親れいむが舞わされた。 「もういちどいってみろおおぉぉ!! にんげんさんが!!おまえみたいな!!うすぎたないごみくずをみて!! ゆっくりするわけないでしょおおおぉぉ!!? ぶじょくしたな!!にんげんさんをぶじょくしたな!!あやまれ!!あやまれえぇ!!」 ばしばしと踏みつけられ、親れいむが泣き叫ぶ。 「ごべんなざい!!ごべんなざい!!ぼういいばぜん!!ごべんなざいい!!」 「なにがごめんなさいなの!?」 「にんげんさんをぶじょくしましたああぁぁ!!」 「もういちどきくよ!! だれがおまえをみてゆっくりするの!?そんないきものがどこにいるの!!?」 「いばぜん!!いばぜえええん!! でいぶをみでゆっぐりずるいぎぼのはいばぜえええええぇん!!」 「やっとわかったね!!ごみくず!! ごみくずなりにゆっくりはんせいしてね!!」 ぺっ、と唾を吐きかけてYまりさはようやく身を引いた。 ぼろきれのように横たわり、親れいむは泣きじゃくる。 Yまりさは群れのゆっくり達に向きなおって叫んだ。 「おまえらもゆっくりりかいしてね!! おまえらはだれもゆっくりなんかさせられない、きたないやくたたずのごみくずなんだよ!! とくに、とくに、にんげんさんをゆっくりさせられるなんておもわないでねえぇぇ!!! ゆっくりわかったの!?へんじしろおおぉ!!!」 「ばいいいいいぃぃ!!わがりばじだあああああ!!!」 涙を流し震えおののきながら、ゆっくり達が答える。 「ごみくずはそこでのたれじんでいってね!!」 「まりさ、もういいわ」 「ゆっ!!ゆっくりわかりました!!」 Yまりさを制止したのはお姉さんだった。 ガラス壁の向こうからお姉さんは言った。 「その子たちにも食べ物をあげましょう」 「ゆゆっ!?でも、こんなごみくずたちにごはんさんはもったいないとおもいます!!」 「いいのよ」 「ゆっくりわかりました!!」 プレイス内の大皿から菓子を集め、大皿に盛っていくY飾りのゆっくり達。 充分な量の菓子が盛られたところで、お姉さんが皿を手に取った。 「ゆゆっ!?まりさたちがはこびます!!」 「ごみくずどもににんげんさんからあげるなんておそれおおいです!!」 「いいの。さ、どいて」 「ゆっくりごめんなさい!!」 そうして、皿を運んでくるお姉さん。 その様子を見て、群れのゆっくり達は飛び跳ねた。 「ゆっ!!ありがとうにんげんさん!! はやくあまあまおいていってね!!」 「おれいにおうたをうたってあげるよ!! あまあまちょうだい!!あまあま!!」 一刻も早く菓子を受け取ろうと、扉のほうに集まっていく。 親れいむも、痛む体と空腹を引きずりながらそちらへ向かっていった。 やがて、扉を開いてお姉さんが現れた。 「はいはい、がっつかないの」 その瞬間、親れいむの中枢餡を衝撃が貫いた。 恐ろしく空腹だったが、もはや菓子などは眼中になかった。 わけがわからない。 わからないが、とにかく、このお姉さんにすりすりしたくて仕方がなかった。 このおねえさんはゆっくりできる。 親れいむの本能が、それを告げていた。それもこれまでにないほど強烈に。 菓子皿が地面に置かれたが、 親れいむは脇目もふらずにお姉さんに向かっていった。 「お、おねえさん!!すーりすーり!!れいむとすーりすーりしてね!! ゆっくりしていってね!!ゆっくりしていってね!!」 先ほどYまりさにされた制裁も忘れ、人間にすり寄っていく。 見ると、群れの他のゆっくり達も同じようにお姉さんの方に向かっていた。 遅れてはならじと、親れいむは必死に這いずっていく。 しかしお姉さんは首を振り、立ち上がった。 「だめだめ。ゆっくりできないわね」 「どぼぢでぞんなごどいうのおおおぉぉぉ!!?」 群れの中から絶叫が響く。 「だーめ。みんな汚いもの。じゃあねー」 「ま!まって!!おねえざん!!すーりすーりしでえぇ!!」 「ずーりずーりじだああいいいい!!おねえざん!!もどっでぎでええええ!!」 「おねえざああああん!!おねえざああああんん!!おでがいいいいいぃ!!!」 「ゆっぐじじで!!ゆっぐじじでよおおおおぉぉぉ!!!」 飛び跳ね、追いすがり、懇願する群れに背を向け、 お姉さんは足早に扉の内側に引っこんで扉を閉めてしまった。 ゆっくりプレイス内では、 Y飾りのゆっくり達が、存分にお姉さんの腕や足にすりすりをしている。 どれもが恍惚の表情を浮かべ、このうえなくゆっくりしていた。 これまでで一番強い、身を焦がす羨望に親れいむは身悶えする。 ゆっくりしたい。 食欲とも性欲とも違う、そのどれよりも遥かに強い衝動。 気も狂わんばかりのその衝動に突き動かされ、 置かれた菓子の皿には目もくれず、Y飾り達の怒鳴り声にもひるまず、 親れいむ達はガラス壁に体当たりし、壁の向こうのお姉さんに懇願し続けた。 壁が再び鏡に戻ってしまうまでそれは続いた。 「………なんだこれ」 「ね、すごいでしょ」 「信じられない。あれだけ腹をすかしたゆっくりが、食事も忘れて人間にすり寄るなんて。 食欲がほぼ最優先で、人間を見下している生き物が……どういうわけなんだ?」 「問題。ゆっくりが一番ゆっくりできる状態って、なんだと思う?」 「………俺に聞かれてもわからないが、甘いものを食べてるときか?」 「ブー。解答。お母さんの中にいるとき」 「口の中に入って……いや、母胎か!」 「そういうこと。生まれる前、母親の子宮の中にいるときが一番ゆっくりしてるの。 人間と同じで、生まれた後はほとんど忘れちゃうようだけど、 胎内にいる間のゆっくり波は、生まれた後にどんな事をしてもまず到達できない数値なんだな」 「ゆっくり波?」 「脳波のゆっくりバージョンで、ゆっくり具合を数値化してみたのね。 で、研究してみた結果、にんっしんっしているゆっくりの子宮内の液体が鍵だとわかったの。 胎ゆっくりが浮かぶ海、人間でいう羊水ね。便宜上、「ゆー水」と名付けました」 「ゆーすい……」 「そのゆー水を大量に摂取し凝縮して、香水にしてみたわけ。 それを肌にふりかければ、人間だろうとブタだろうとれみりゃだろうと、あらゆるゆっくりがすり寄るようになるよ」 「そりゃまた。つくづく単純な生き物だな」 「コレが開発できた時点で、 ゆっくりに関するほとんどの問題は解決できたようなもんね。 あとはじっくり手間をかけていくだけってわけ」 鏡を前にしてゆっくりプレイスと遮断された群れは、 意気消沈の体で、それでも菓子を盛った皿に這いずっていった。 「むーしゃむーしゃ……しあわせー……」 「うっめ……これめっちゃうっめ……」 一週間ぶりの、それも初めて食べるほどの美味だったが、 その量は群れに対してとても充分とはいえなかったし、 何より、先ほどの人間にすげなくあしらわれたのが、なぜか無性に辛かった。 あの人間に褒めてほしい。可愛がってほしい。 餡子の底から湧き起こる、説明しようのない本能が思考を苛む。 その日の夜、岩場に身を横たえて眠りながら、 親れいむは夢を見た。 遠い遠い記憶。 すでに忘れかけていた、魂のゆっくり。 自分たちゆっくりが毎日本能的に追い求めている、 すべてが全く満たされた夢のような時が、 かつてたしかにあったのだ。 夢の中で、親れいむは、 大きく温かく優しい母親の頬にすーりすーりをしていた。 起きると、親れいむは泣いていた。 周囲には、同じように泣いているゆっくり達が多くいた。 同じ夢を見たのだろう。 互いに言葉を交わすでもなく、再び一方の鏡を凝視する。 あの三十分がその日も訪れ、群れのゆっくり達はガラス壁にしがみついた。 一同はY飾り達の暴力を恐れ、声をあげずに張り付いているだけだったが、 やがて人間の姿が現れると、無意識に鳴き声を上げた。 「ゆうぅ~~……ゆぅぅう……」 「ゆっくり……ゆっくりしたいぃ……」 しかし、その日やってきた人間は別のお姉さんだった。 親れいむ達は落胆したが、 扉が開かれ、菓子皿を手にそのお姉さんが現れると、 再び電流のような渇望に打たれ、お姉さんにすり寄ろうとした。 そしてまた拒絶される。 「ゆっくり!!ゆっくりしたああいいいい!!!」 「おでがい!!おでがい!!でいぶをゆっぐりざぜで!!ずーりずーりじでぇぇ!!」 「なんでぼじばず!!ずごじだげでいいんでず!!なーでなーでじでぐだざいいいい!!」 「ああやだやだ、汚い汚い」 泣きながら這いずってにじり寄るゆっくり達を振り切って、 お姉さんはさっさとゆっくりプレイスに戻って扉を閉めてしまう。 「ゆっぐじざぜでえええええええぇぇぇ!!!」 再び一週間が過ぎた。 わずかなあまあまで日々を食いつなぎ、 今日こそは、今日こそはと、毎日違うお姉さんに懇願する。 ゆっくり達はやつれ果て、疲れきっていた。 毎日泣きはらし、目の下には深い隈ができている。 最初は群れで固まっていたが、今ではそれぞれが勝手に動き、 会話をしようともしない。 薄汚れた互いの姿を見てもみじめになるばかりだった。 「今、あのゆっくり達は、 ゆー水の効果で人間に母親を見てるわけ」 「まさかそんな事ができるとは思わなかったな」 「母親に捨てられた子供ほどみじめなものはないよ。 アメリカのほうじゃたまに見かけたけど、ひどいもん。 お母さんに拒絶されるというのは、トラウマになるぐらい辛いことみたいだね」 「君も、もう少しお母さんを大事にしてやればいいだろう」 「そうだねー。週末には帰ろうかな。 じゃ、そろそろ次いこっか。ここからが面白いよー♪」 「おねえさんとすーりすーりしたいの?」 その日、外に出てきたY飾りのまりさが聞いてきた。 ゆっくり達が沸き返り、絶叫する。 「ゆ!!したいい!!ずーりずーりじだいいいぃぃ!!!」 「ばりざをおでがいじばず!!ずーりずーりじだいいいいい」 「ゆっぐりいいいい!!ゆっぐりいいいいいいい!!!」 「いまはだめだよ!!」 「どぼじでぞんなごどいうのおおぉぉぉ!!?」 泣きわめくゆっくり達に、Yまりさが毅然として答えた。 「うすよごれたやくたたずのごみくずが、 にんげんさんにさわるなんておそれおおいんだよ!!ゆっくりりかいしてね!!」 「ううううう!!ゆううううううう!!!」 「でも、やくたたずだけど、がんばればあっちにいれてあげてもいいよ!! おねえさんともすーりすーりできるよ!!」 「ゆ!!がんばる!!がんばりばずうううううぅぅぅ!!!」 初めて目の前にぶら下がる希望に、ゆっくり達は眼を輝かせた。 「そのためには、「しんっこうっ」のみちにはいるんだよ!」 「ゆ?」 「しんっこうってなに?」 「「ゆっくりきょう」にはいって、 にんげんさんのやくにたつゆっくりになれるようにしゅぎょうすることだよ! そのためにはたくさんおぼえなきゃいけないよ!!しゅぎょうはつらいよ!! つらいけど、がんばればおねえさんとすーりすーりできるよ!!」 「ゆゆゆゆ!!よくわからないけど、ありすはしんっこうっするわ!!」 「まりさもしんっこうっするんだぜ!!すーりすーりするのぜ!!」 群れのゆっくり達から次々と声があがる。 「しんっこうっのみちにはいるには、きまりごとをいっぱいおぼえなきゃいけないよ!! それをおぼえたら、このばっじをあげるよ!!」 Yまりさが取り出したのは、 自分が頭につけているのと同じY字型の飾りだった。 「このばっじをつければ、ゆっくりきょうのいちいんだよ! ゆっくりぷれいすにいれてあげるからね!!」 歓声をあげる群れに、Yまりさは一冊の本を取り出して言った。 「それじゃ、これからゆっくりきょうのおきてをおしえるからゆっくりおぼえてね!!」 「ゆゆぅ!!ゆっくりおぼえるよぉ!!」 「すーりすーり♪すーりすーり♪」 「ゆっくりはゆっくりできません!!」 「ゆっ?」 不思議そうに小首をかしげるゆっくり達に、Yまりさは怒鳴った。 「ゆっくりふくしょうしてね!! ゆっくりはゆっくりできません!!」 「どぼじでぞんなごどいうのおおぉぉ!!?ゆっくりできるよぉ!?」 「ゆっくりだまってね!! さからうならゆっくりきょうにははいれないよ!! おねえさんにすーりすーりしてもらえないよ!!」 「ゆゆうぅぅ!?」 「ふくしょうしてね!! ゆっくりはゆっくりできません!!」 「「「ゆ……ゆっくりはゆっくりできません!!」」」 お姉さんに触りたい一心で群れは復唱する。 「このよのすべてのいきものは、 どんないきものでもゆっくりできます!!」 「「「ゆっくりできます!!」」」 「けれど、ゆっくりだけはゆっくりできません!!」 「ゆゆゆぅぅぅ!?」 「ふくしょうしてね!!」 「「「ゆっくりだけはゆっくりできませんん!!」」」 「ゆっくりは、なんのやくにもたたないごみくずです!!」 「「「……ごみくずですぅ!!」」」 「このよでいちばんゆっくりできるのはにんげんさんです!!」 「「「にんげんさんです!!」」」 ちがうでしょおおおおぉぉぉ!!? 親れいむはそう叫びたくて仕方がなかった。 しかし、以前にY飾り達にリンチを受けた体験を思い出し、 逆らうのは思いとどまった。 何より、あのお姉さんたちがゆっくりできるのは確かだった。 掟は続く。 「やさしいにんげんさんは、 ゆっくりがゆっくりできるいきものになれるようにみちびいてくれます!!」 「「「みちびいてくれます!!」」」 「ごみくずのゆっくりにてをさしのべてくれるにんげんさんにかんしゃして、 にんげんさんがゆっくりできるように、にんげんさんのいうことをきくこと!!」 「「「いうことをきくこと!!」」」 「そうすれば、にんげんさんがゆっくりをゆっくりさせてくれます!! それが、ゆっくりがゆっくりするゆいいつのほうほうです!!」 「「「ゆいいつのほうほうです!!」」」 最後に、Yまりさは一際声を張り上げて締めた。 「にんげんさんのどれいになることがゆっくりのゆっくりです!!!」 「「「ゆっくりのゆっくりです!!!」」」 「きょうおしえるのはこれだけだよ!!ゆっくりおぼえていってね!!」 「ゆ、ゆ、おかしいわ!」 不平を鳴らしたのは参謀役のぱちゅりーだった。 「なにがおかしいの?」 Yまりさがじりじりと詰め寄りながら聞き返す。 ぶるぶると震えながら、ぱちゅりーはそれでも答えた。 「ゆ、ゆ、でも、でも、にんげんさんはひどいことをするわ! おやさいさんをひとりじめしたり……」 「おやさいさんはにんげんさんがそだててるんだよぉ!!!」 凄い剣幕でYまりさが怒鳴った。 「にんげんさんのおやさいをたべたの!?」 「ぱ、ぱちゅりーはたべてないわ……」 「ほんとう!?たべてたらこのばでつぶしてるよ!!」 その剣幕におののき、 群れの中の、畑に侵入した前科のあるゆっくりも黙り込んでしまう。 「にんげんさんがそだてたおやさいをぬすむゆっくりはゆっくりできないよ!!」 「お、おやさいはかってにはえて……」 「ぱちゅりぃぃぃ!!そんなこともしらないでもりのけんじゃなのおおぉ!?」 涙を一筋こぼし、ぱちゅりーは口をつぐむ。 子めーりんに負けて以来、ぱちゅりーは自分の知識に全く自信が持てなくなっていた。 「ゆゆぅ……でも……」 群れの中から、れいむ種の反論がさらに出てくる。 これほど自信を失い、これほど強い相手を前にしても、 人間が一番ゆっくりでき、ゆっくりはその奴隷になるべきだという理屈は、 ゆっくり達にとって到底すんなり受け入れられるものではなかった。 「おうたをうたってあげても、 にんげんさんはおれいをしてくれなかったよ……」 「おうたぁ!?」 Yまりさが向きなおって怒鳴る。 「おうたって、まさかあれのこと!? ゆーゆーうめいてるだけの、あのひどいざつおんのこと!?」 「…………!!」 群れのれいむの脳裏に、テストの時の屈辱が甦る。 「そんなものをにんげんさんにきかせたのおおぉぉ!!? そのせいでにんげんさんはゆっくりできなかったんだよ!! おれいってなんなのおぉ!?ごみくず!!おまえがおわびするんだよ!!」 「……ゆ、ゆ………ごべんなざいぃ……」 反論したれいむは泣きながらうなだれた。 その後も弱々しい反論が群れから発せられたが、 そのどれもが、Yまりさの激しい叱責で切って捨てられた。 「にんげんさんがよこどりするうぅぅ!!? ぜんぶにんげんさんのものなんだよ!! このせかいのなかで、ごみくずのものなんかどこにもないんだよおぉ!! にんげんさんがおめぐみしてくれるものだけがゆっくりのものだよ!!」 「ゆぐぐぐぐぅぅ………」 「わかったらおきてをおぼえてね!! ゆっくりはゆっくりできません!!」 「「「ゆっくりはゆっくりできませええん!!」」」 その日は、その掟を何度も何度も復唱させられた。 それでも最後まで暗記できた者はいなかった。 暗記できるまで練習するよう命じると、 本を投げてよこし、Yまりさはゆっくりプレイスに帰っていった。 その大きくて薄い本には、先ほどの掟が簡単なひらがなで書いてあった。 字の読めるゆっくりがそれを手に取り、 群れといっしょに音読しはじめた。 ゆっくりの本能に抗うその掟は到底受け入れ難いものだったが、 お姉さんとすりすりしたい、ただその事のために、 他にやることもない無聊も手伝い、ゆっくり達は掟を繰り返し続けた。 無心でそれを繰り返していれば、少なくとも現状のみじめさを忘れることはできた。 ゆっくりはゆっくりできません このよのすべてのいきものは どんないきものでもゆっくりできます けれど、ゆっくりだけはゆっくりできません ゆっくりは、なんのやくにもたたないごみくずです このよでいちばんゆっくりできるのはにんげんさんです やさしいにんげんさんは ゆっくりがゆっくりできるいきものになれるようにみちびいてくれます ごみくずのゆっくりにてをさしのべてくれるにんげんさんにかんしゃして にんげんさんがゆっくりできるように、にんげんさんのいうことをきくこと そうすれば、にんげんさんがゆっくりをゆっくりさせてくれます それが、ゆっくりがゆっくりするゆいいつのほうほうです にんげんさんのどれいになることがゆっくりのゆっくりです 一番覚えのよかった一匹のまりさ種が、丸一日かかって暗記した。 翌日、Yまりさの前で、そのまりさは掟を暗唱した。 「ゆ!!ごみくずなりによくおぼえたね!!」 「まりさはがんばったんだぜ!!すーりすーりするんだぜ!!」 「このぐらいでみとめられるとおもわないでねえぇぇ!!」 怒鳴られ、委縮するまりさ。 しかしその時、人間の声がかかってきた。 扉を開けてやってきたのはお姉さんだった。 お姉さんはまりさを見下ろして笑った。 「よく覚えたわね。偉いわよ、まりさ」 「ゆゆゆゆううぅぅ!!!」 感極まってぶるぶると震え、目をきらきら輝かせるまりさ。 「ご褒美をあげるわ。ほら、撫でてあげる」 「ゆ!!おねえさん!!すーりすーり!!すーりすーりしてええぇぇ!!!」 まりさの薄汚れた頬にお姉さんの手が触れ、優しく撫ぜた。 「ゆっ……………くりいいぃぃぃぃぃぃぃ~~~~~~~~~~~………!!!」 あひる口で涙と涎を垂らし、頬を紅潮させて震えながらうれちーちーを漏らすまりさ。 恐らくは生涯最高にゆっくりできているだろうその表情が、群れの羨望をかきたてる。 「はい、おしまい」 「ゆゆうううぅぅぅ!!?もっと!!もっとすーりすーりいぃぃ!!」 「だーめ。もっと頑張ったらまたやってあげるわね」 そのまま立ち上がり、お姉さんは扉の向こうへ消えていってしまった。 群れは泣きながら追いすがり、すーりすーりを懇願したが、 Yまりさの怒鳴り声に追い返された。 あのまりさだけが、いまだに余韻にひたってうれちーちーを漏らし続けていた。 何日もかかって群れのゆっくり達は最初の掟を覚え、 お姉さんからご褒美のすーりすーりを受けて、その快感に魅せられた。 掟はそれだけではなく、 それから数多くの掟を教えられた。 にんげんさんにさからってはいけません ゆっくりはみにくいいきものです てとあしがないのはみっともないことです ゆっくりはよわいいきものです にんげんさんがまもってくれるおかげでいきていけます ゆっくりはよくぶかい、あさましいいきものです にんげんさんにしどうしてもらいましょう 反発したいもの、意味がよく掴めないものが多かったが、 お姉さんのご褒美をもらいたいというそのためだけに、 群れのゆっくり達は必死に覚え続けた。 通常のゆっくりでは、それらのすべてを暗記することは不可能だったが、 それでも掟は少しずつゆっくり達の無意識に浸透していった。 たとえ心で反発していても、口に出して音読しているうちに抵抗が薄れていく。 なにより、あのすーりすーりへの燃えるような渇望が、 ゆっくり達から思考能力を奪っていた。 「このせかいは、かみさまがつくったんだよ。 いぬさんもおはなさんももりさんもうみさんも、ぜんぶかみさまがつくったんだよ。 かみさまはさいごに、じぶんににせたいきものをつくって、 このせかいをかんりするやくめをあたえたんだよ。 それがにんげんさんだよ」 Yまりさは群れに講義していた。 「かみさまはいろんないきものさんをつくったけど、 つくったものには、わるいところがすこしずつあったよ。 そのわるいところを、かみさまはていねいにとりのぞいたよ。 いろんないきものさんのわるいところを、ちぎってまとめてすてたんだけど、 そのわるいくずがあつまって、ひとつのいきものになっちゃったよ。 それがゆっくりだよ」 群れの中から、かすかに嗚咽が漏れてくる。 その頃になると、群れのゆっくり達は素直にYまりさの教えに耳を傾けていた。 「にんげんさんは、ぜんちぜんのうのそんざいなんだよ。 にんげんさんにはなにもかもわかってるし、 ゆっくりたちがなにをしてるか、ぜんぶおみとおしなんだよ」 ゆうぅぅ、という嘆息が群れから上がった。 「ゆっくりがゆっくりできているかどうかは、 にんげんさんがぜんぶおしえてくれるよ。 まよったときは、にんげんさんにおしえてもらってね。 ゆっくりできることをしていたら、にんげんさんはゆるしてくれるし、 ゆっくりできないことをしていたら、にんげんさんがばつをあたえてくれるよ」 Yまりさは一旦言葉を切り、群れを見回した。 そして頷きながら続ける。 「それはとてもありがたいことなんだよ。 ばつをあたえてもらえば、ゆっくりははんせいできるよ。 そうすればもっとゆっくりできるようになれるよ。 でも、にんげんさんのばつで、ゆっくりがころされることもあるよ」 再び言葉を切り、間を置いてからYまりさは強い口調で続けた。 「それも、すごくありがたいことだよ!! ゆっくりできないゆっくりは、 ころしてもらうことで、もうだれにもめいわくをかけずにすむよ。 そして、にんげんさんのばつをあたえてもらってしぬことで、 じごくへいかずにすむんだよ!」 「ゆゆっ?」 「じごくってなに?」 群れの中から質問が上がり、Yまりさはそれに答えた。 「じごくっていうのは、とってもとってもゆっくりできないところだよ。 にんげんさんのためにはたらいたゆっくりは、 えいえんにゆっくりしたあと、おそらへいくよ。 だけど、わるいことをしたゆっくりは、 おそらへいけないで、じごくへいくんだよ。 じごくでは、ずっとずっと、いたくてくるしくてゆっくりできないことをされるよ。 じごくにおちたゆっくりは、にどとしねないよ。 えいえんに、ずっと、ずっと、ずっとずっとくるしみつづけるんだよ。 えいえんにくるしくて、えいえんにゆっくりできないんだよ」 「ゆゆゆうううううぅぅぅぅ!!!」 群れのゆっくり達が恐怖の叫びを上げる。 Yまりさは満足げに見回して続けた。 「みんな、じごくへいきたい?」 「いぎだぐないでずううぅぅ!!」 「いやあぁぁ!!じごくいやああぁぁ!!」 「そうだよね。だから、ゆっくりできるゆっくりにならなきゃいけないよ。 にんげんさんのいうことをよくきいて、にんげんさんのためにはたらこうね。 そうすれば、おそらでゆっくりできるようになるよ。 それに、わるいことをしたとしても、 にんげんさんにばつをあたえてもらってしねば、 わるいことはゆるしてもらえて、やっぱりおそらでゆっくりできるよ。 みんな、よくおぼえてね!!にんげんさんにかんしゃしようね!!」 「はいいぃぃ!!」 「…………そんなに面白いか?自分でやっといて」 「あははははは、あははは、ははは、あっははははははは!」 「まさか宗教なんてものを持ち出すとはな」 「あははは、あのね、人間だってそうだけど、群れをまとめるには宗教が一番なの。 神様に天使、自分たちより上の存在が決めたルールならみんな素直に従うでしょ。 でも人間の場合、問題は、神様も天使もいないこと。 だから信仰心に頼るしかなくて、結局ルールとしては不安定になるよね。 でも、ゆっくりには、本物がいるんだからね。 人間がなってやればいいんだからさ、その、天使に、ぷはっ! あは、あはははは、天使だって、あっはははは、ひい」 「君が笑っているのはゆっくりか?」 「ははははははは、あは、あは、うひっひっひ、あはははは」 「それとも人間のほうか?」 毎日、群れのゆっくり達はY飾り達の講義を受けた。 他にやることもない状況下、 皆が「ゆっくり教」の教えを理解し、覚えることに全霊をかたむけた。 定期的に、お姉さんの立ち会いのもとにテストが行われた。 暗記を要求されたのは一番最初の掟だけで、 それだけは毎回テストの最初に暗唱させられたが、 それ以外の教えについては、一問一答の形で試された。 ゆっくりできないこと、人間に対してやってはいけないこと、 様々な設問を受け、群れのゆっくり達が答える。 素早く答えられたものには、お姉さんがすーりすーりをしてくれた。 ゆっくりプレイス内のガラス近くに、外側に向けて大画面のテレビジョンが設置され、 ガラス越しにビデオを見せられた。 そのビデオを通して、ゆっくり達は毎日ゆっくりの悪行を見せつけられた。 人家に侵入し、中のものをひっくり返して汚すゆっくり達。 街中で人々にあまあまを要求するゆっくり達。 歌を歌い、おひねりを要求するゆっくり達。 ゴミ箱をあさり、通路にゴミをまき散らすゆっくり達。 そうしたゆっくり達の騒音や通行妨害に迷惑をこうむる者たちの声が、 市民、公務員、飼いゆっくり、さまざまな立場から語られる。 農家で野菜の栽培を生業とする人々が映され、 農業にかかる膨大な手間が詳細にわたって解説される。 その営みの苦労、それを乗り越えてもたらされる収穫の喜びに、 群れのゆっくり達が感動を覚え始めた頃、 「おやさいはかってにはえてくるんだよ!」を合言葉に畑に侵入するゆっくりが映される。 ゆっくりによって荒らされる畑、その害に苦しむ農家の声がたっぷりと流れる。 「とかいはなあい」と称して、飼いれいむを強姦する野良ありす。 犯し殺されたれいむの家族、そして飼い主の悲しむ姿が延々と映される。 レイパーありすの強姦から、人間の手当によって運よく生き延びた大勢のゆっくりが、 レイパーに対する恨みつらみと憎悪を激しい口調で並べ立てる。 ドスまりさが人間の村を訪れ、「きょうてい」を要求する映像。 ドススパークを盾に一方的な不平等条約を結ばされ、 村の糧を奪われて汲々とする村人たちの苦しみが、 特別貧乏な一家の子供たちを中心に描かれる。 自分たちがそれまで思ってもみなかった視点から描かれるゆっくり像に、 多くのゆっくり達が悔悟に苦しみ、自省の涙にくれた。 自分たちのことを憎々しげに語る大勢の人々の声は、自尊心を錐のように貫いた。 特に、ありす種の打ちひしがれようは激しかった。 レイパー被害のビデオを見せられたありす達は、 静かな、しかし激しい涙にくれ、その日は一睡もしなかった。 それ以後どこか卑屈になり、こそこそと群れの後ろのほうに隠れるようになった。 「ずいぶんと素直なんだな。ゆっくりに罪悪感があったのか」 「ゆー水で人間に依存させてるのが大きいんだけどね。 あのね、はっきり言うけどさ、ゆっくりって平和主義なんだよ。 人間から見れば唯我独尊の極致に見えるけど、 自分たちの可愛さで他の生き物をゆっくりさせてあげてるって本気で思ってるの。 レイパーにしたって、「とかいはなあい」で相手が幸せになるって本気で信じてる。 つまり、無償の愛で周囲に奉仕しているつもりでいるんだよ、ゆっくり達は。 実情はどうあれ、平和を愛するという点では人間以上みたいだよ」 「俺の子供を殺したのも平和を愛するからだっていうのか?」 「それ飛躍。あの十三匹はゲス素材を限界までつけ上がらせた個体で、 例としては極端すぎるね、根っこは同じだけど。 でもまあ、ゆっくりが一番偉いっていう自尊心の強さ、ふてぶてしさは、 自分たちが世界に奉仕しているという誇りに支えられてるわけね。 多いよね、人間にも。そういう人」 「まあ……そうだな」 「というわけで、そこを崩してやる。 理屈で言い聞かせたって、普通ゆっくりの頭じゃすんなりとは理解できないから、 物量作戦で、とにかく大勢の声を浴びせてやります。 ゆっくりを嫌っている、迷惑を被っている人たちを、映像として突きつけてやる。 その事実を突きつけられれば、ゆっくりのアイデンティティはガタガタってわけね。 自尊心を壊されたゆっくりは悲惨だよ~」 群れのゆっくり達は、いよいよ口数が少なくなり、 ゆっくり教の教えを復習する以外は、 うなだれ、うつろな暗い目でただただ地面を見つめて暮らすようになった。 自分たちが他の生き物たちをゆっくりさせている。 そう思えばこそ、ゆっくり達は堂々と生き、ゆっくりしてこれていた。 しかし、害獣として疎まれ憎まれている現状を知らされた今、 世界のどこに行っても憎まれ追い返され、迫害されるという不安感に苛まれた。 これまで、愛されているという確信のもとにゆっくりしてきたゆっくり達にとって、 世界中に憎悪されるというストレスはきりきりと精神を苛んだ。 そんなゆっくり達がしがみついたのは、ゆっくり教の教義だった。 最初の頃は、暴力を振るわれるのが怖さに、 そしてお姉さんにすーりすーりしてもらうために機械的に従っていたが、 いまでは心底からゆっくり教の教えを求め、理解しようとしていた。 打ち崩されたゆっくりの誇りと存在意義を、教義は新たに与えてくれた。 このよでいちばんゆっくりできるのはにんげんさんです やさしいにんげんさんは ゆっくりがゆっくりできるいきものになれるようにみちびいてくれます ごみくずのゆっくりにてをさしのべてくれるにんげんさんにかんしゃして にんげんさんがゆっくりできるように、にんげんさんのいうことをきくこと そうすれば、にんげんさんがゆっくりをゆっくりさせてくれます それが、ゆっくりがゆっくりするゆいいつのほうほうです にんげんさんのどれいになることがゆっくりのゆっくりです 「しかし、ずいぶんと手間をかけるんだな」 「ん。た~っぷりとね。最低一年はかけたいね」 「俺が当初予定した計画より、だいぶ回りくどくなったようだ」 「これはね、圭一さん。もう圭一さん個人の復讐じゃないよ。 このゆっくり達への制裁でもない。 あたしたちが今やってるのは、 現在から未来にいたるまでの、全てのゆっくりの洗脳なんだからね。 じっくり丁寧にやらなくっちゃなのよ」 続く
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1241.html
紅魔館の主、レミリア・スカーレット。 彼女が、ある日突然、幼女のような物体に変わってしまった。 新月の夜の幼女化などではない。 以前のような知性も無く、「うー」やら「うあうあ」と言っているだけの状態が幾日も続いていた。 何かの異変かと思い神社を訪ねたが、巫女はうるさい奴が来なくなってよかったわ、と言って関り合いになろうとしなかった。 そして、お嬢様付きのメイドである咲夜は、これからどうしたら良いかと散々迷った末、この状態のレミリアも甲斐甲斐しくお世話しようと試みた。 しかし、素の状態のレミリアの世話をする事とはずいぶん勝手が違った。 曰く 「お嬢様、おはようございます」 「……すぅー、すぅー」 「起きて下さい、お嬢様」 「う~? ま~だねる~」 と言って寝続ける。 咲夜が起こす前に起きている時といえば、ベッドから落ちてそのまま泣いていた時だけである。 曰く 「お嬢様、食事の用意が出来ました」 「うっ♪ う~、あうあう♪」 「お嬢様、食事の時間です」 食事に連れて行こうと、遊んでいるレミリアを抱きかかえるとまた泣き出す。 「ゆっくり遊ぼうね。グスッ。ゆっくり遊ぶのー!」 泣いているレミリアに、何とか食事をさせようとするがまったく食べない。 好物だった肉を口に運ぶと、好き嫌いする子供のように必死で口を結ぶ。 それならばと、デザートにと作っておいたケーキを出したところ、ピタリと泣き止み笑顔のまま完食した。 咲夜がこの数日お世話をして分かったことといえば、見た目通り中身も幼くなった事と、以前の記憶はまったく無くなっていた事くらいだろう。 その後、図書館へ来ていたアリスの人形達に目を輝かせていたのを見た咲夜が、パーティー用のきぐるみを着てみたところ何とか簡単な言うことは聞いてくれるようになった。 タンバリンやカスタネットを使えば更に効果が上がる、と咲夜は付け加えた。 その時パチェリーに、アリスの家はゆっくり達が集まってきて住んでいるから、根城が変わるまで暫くは図書館に住まわせる、と聞かされた。 二つ返事で了解し、椅子に突っ伏して眠っているアリスの為に、急いで小悪魔と一緒に残っていた司書室の掃除を始める咲夜。 紅魔館の中といっても、既にここはパチェリーの領域とかしている。 しかも当の主がこの状態では許可を求めてもどうしようもないだろう。 After half a year レミリアが変わってから半年ほどが経った。 以前はきちんととれていた統率が、半年の間に綻び始めていた。 原因は、今のレミリアにはまったく統率力が無い事、加えて今の彼女の言動が屋敷の庭でよく見かける二匹のそれにそっくりだという事。 この話題が咲夜の耳に入ると、直ぐに庭に居た二匹を捕獲した。 「「う~。 うっ~。お菓子うま~」」 もともと紅魔館の従者達には懐いていた二匹は、お菓子を持っていくと警戒することもなく近寄ってきた。 直ぐにでも殺してしまいたかったが、高く買い取ってくれますよ、と美鈴が話したことで、どうせならゆっくりと恐怖を味あわせてやった方がコイツららしいと思い、業者に売り飛ばす事にした。 二匹に後を着いてこさせ加工場まで連れてきた。 「れみりゃ種は十分成熟してますから、直ぐに発送用に加工できますよ」 と聞いた咲夜はその様子を見学させてもらった。 好奇心旺盛なれみりゃは、知らない職員に抱きかかえられていてもご機嫌だった。 「う~、う~。さんぽっ あうあう」 以前、従者が散歩に連れて行ったのだろう、今回も散歩だと思っているようだ。 「う~?」 今まで見たことの無い一室に連れてこられたれみりゃ、瞳はキラキラと輝いている。 「ご存知の通り、れみりゃ種は他と違ってそのまま食すことの出来る種類です。しかし、食べることのできない部分も有りますのでここで出荷前にその部分を処理しているんです」 咲夜への説明が終わると、職員達は備え付けの台の上にゆっくりを固定していく。 「う~♪ う~? うーーー!!!」 懸命に、固定を外そうとするゆっくりれみりゃ。 元々わがままなゆっくりの、他の種類よりわがままな性格の上、紅魔館の庭で何一つ苦労せずにもてはやされていたのだ、突然拘束されるなどとは思わなかったのだろう。 「まずは帽子をとります」 おそらく加工担当のものだろう全身を真っ白な白衣で覆った職員が帽子を取る。 「うー! れみりゃのぼうし!! かえして!!! かえして!!!」 「この帽子は、現在飼育中のゆっくり達の予備の他に、ペットとして飼われているゆっくり達用に、加工して販売もされています」 そう言って、男はアレンジされた帽子を咲夜に見せた。 確かに可愛らしい帽子だと、咲夜は思った。 「次は、羽です」 羽、と聞いてそれまで強気だったれみりゃの体がビクっと震えた。 更に激しく暴れるが、拘束が解ける様子はまったくない。 「ざくや!!! わるいひどがらだずげでよー。これをはずじでよー」 根元から羽が切り落とされると、まるでそこにスタミナが有ったかのようにぐったりとするれみりゃ。 「最後は歯です。目も食べることは出来ませんが、長年の研究で目を落とすと鮮度と味が格段に落ちるんですよ」 ぐったりとしているれみりゃ、すでに抵抗する気も無いのだろう。 なすがままに、職員達が慣れた手つきで歯を抜いていく。 その後、表面の皮を汚れをゆっくりお湯で体を洗われ、最後に別のお湯につけてかすを流して木箱に詰められる。 内側に特殊な加工がしてあり、中でれみりゃが動けないようになっているらしい。 「あとはこのまま商店に発送されます。手間がかかりますので一週間に十五匹程度になってしまいますが」 味は最高です。と自信を豪語する男に相槌を打ちながら木箱をみる。 ある程度回復したらしく、出して、としきりに騒いでいるようだ。 「あの声が大きいかどうかで値段が変わるんですよ、この大きさですと結構な高値がつきますよ」 もとからそんな事に興味が無い咲夜は適当に相槌をうち、代金を貰って帰路を急いだ。 ちなみに、ゆっくりフランも、既に出荷できる状態だった。 咲夜と一緒に、最初はげらげらと、れみりゃの様子を笑いながら見ていたが、自分が拘束されると、同じように泣き始めていた。 紅魔館に戻ってきた咲夜は、珍しくきちんと門番をしていた美鈴に、紅魔館からすれば二束三文しかない代金を渡して中に入る。 出て行くときよりも晴れやかな顔つきだ。 少なくとも、これでゆっくりと同一視されることはない、確かな確証がその顔から見て取れた。 そんな気持ちで玄関をくぐった咲夜が見たのは、壁一面に施された落書きだった。 ホール全体を、赤や黄色ので埋め尽くした落書き、どうやらクレヨンで描かれたようだ。 おそらくは今朝、家を出る前に遊んでもらいたそうにじゃれ付いてきたレミリアに、与えたクレヨンだろう。 ちょうど近くを通りかかったメイドに聞くと、予想通りの返答が返ってきた。 「だったら、なんで直ぐ消さないの」 「そ、それが、消そうとするとアイt、いっ、いえレミリア様が怒り出して……」 とりあえず掃除用具を持ってこさせ、後は私が消すからと言ってメイドと別れる。 最初は廊下からと、いざ落書きを消そうとモップに力を込めた時。 「ぎゃお~、たべちゃうぞ~♪」 パーティー用のきぐるみを着たレミリアだった。 最近は帽子だけでも言うことは聞くようになったのだが、本人はいたくあのきぐるみを気に入ったらしい。 ことあるごとに、着ているのをよく見かける。 もっとも、それを脱がすのは咲夜の仕事なのだが。 「お嬢様。申し訳ありませんが、お遊びは掃除が終わるまで待ってもらえませんか?」 そう言って、再度モップに力を込める。 「うー!!! 消しちゃダメ~」 そう言って咲夜の足にしがみ付くが、力が弱いの上に、きぐるみを着ている所為で、簡単に振りほどかれてしまう。 「だめです。いいですかお嬢様、クレヨンで描いていいのは紙の上だけですよ、壁や廊下に描いてはいけません」 「だめーー!!! たべちゃうぞ!!!」 なんども足にしがみ付いてくる。 どうやらお説教を聞く気はまったく無いらしい。 「お嬢様、ですからクレヨンは、……」 「だーめー!!!」 体重をかけてのタックル、不意をつかれてバランスを崩した咲夜は、そのまま前方に倒れてしまう。 目の前には水がたっぷりと入ったバケツが有った……。 バッシャーン 「……」 「うっう~♪」 全身水だらけで、頭にバケツの帽子をかぶる咲夜。 そして、その姿が面白いのか、楽しそうに笑うレミリア。 「っ」 服が濡れた事など気にせず、どこかに走り去ってしまう咲夜。 「う~♪ う~。がぁお~、た~べちゃうぞ~!!」 残されたレミリアは、自分の描いた落書きを守れて嬉しいのか、たどたどしいながらも、一人で踊り始めた。 「うっ、う~♪ うあうあ」 「う~、あうあう♪ う~う~」 「あうあう♪ う~♪ う~♪」 本人的に、その踊りが一段と盛り上がってきたの時、突然、轟音とともに扉が砕け散った。 勢いで尻餅をつくレミリア。 「ごきげんよう。お・ね・え・さ・ま! ……どうしたの、びっくりした顔しちゃって?」 唖然とレミリアの顔に微笑を向けながら、彼女の妹、フランドール・スカーレットが尋ねる。 「う~? がぁお~! た~べちゃ! う~!?」 他の従者と同じように、驚かそうと両手をあげたレミリア。 だが、気が付いた時には襟元を掴まれ、空中に浮かび上がっていた。 今の状態になってから、レミリアは、せいぜい2m程度しか飛べなくなっていた。 それも、二秒ほどで力尽きる。 「まさか、半年も屋敷内にさえ出られないと思ってたら、お姉様がこんな事になっているなんて思わなかったわ。でも、ダメじゃないお姉様、こんなに悪戯したら」 フランが余っている左手でレミリアの頬を軽く叩く。 その瞳は、どこか狂気じみていた。 一方、何が起こったのか、分からなかったレミリアだが、一呼吸の間を置いてようやく泣き始めた。 「う~、う~」 殆ど痛みは無かったが、今までは、泣けば咲夜が助けに来てくれた。 ためか、涙は流していても、どうにもワザとらしい、大げさな泣き方だ。 「お嬢様、どうかなさいましたか」 「ぶ~!ぶ~」 予想通りに来た咲夜を見て、フランドールを指差すレミリア。 既に涙は止まっていた。 口を窄めて、フランを非難するような顔を、咲夜に向けている。 「咲夜? お姉さまが悪戯してたからしかっただけだよ。……コレ、うるさいから部屋に連れてって頂戴」 「畏まりました」 「さぁ、お部屋にお連れいたします。レミリア様」 咲夜に抱きかかえられたレミリアは、しきりに声を上げてフランを指差すが、その訴えは聞き届けられずに部屋まで連れて行かれた。 「では、私はお嬢様の所に戻りますので、着替えは自分でなさって下さい」 お休みなさいませ、といいながら扉に鍵を閉める。 彼女のベッドに彼女のタンス、彼女の部屋のもの全てが有る。 無いものは壁だった。 時間を止めたのであろう咲夜は、短時間でレミリアの部屋とフランドールの部屋を入れ替えてしまったようだ。 こんな重労働を意とも簡単にこなすあたり、さすがは紅魔館のメイド長という所だろうか。 もっとも、今回ばかりは彼女でも根を上げた。 というよりもレミリアが変わった日から、彼女は殆ど惰性で世話をし続けていただけである。 それも、先ほどの出来事で終わりを告げた、それだけの事だ。 さて、部屋に取り残されたレミリア。 以前でさえ、自分で着替えなど殆どしたことが無いのだ。 まして、今の状態では、当然着替えは無理だろう。 「うー! ぇぐ。 うー!」 やはり、着替えるどころか、泣きながらドアを叩きまくるレミリア。 その顔は先ほどまでの余裕のある泣き顔ではなく、まさに必死の形相だった。 どの位そうしていたのだろうか。そのまま、レミリアは泣きつかれて眠ってしまった。 舞台を、元レミリアの部屋に移す。 「ここが私の新しい部屋ね。……でも、本当に良かったの咲夜? 私はまだ感情が上手くコントロールできないかもしれないし、世間の事も余り知らないのに……」 「いいえそれは違います、フランドールお嬢様。今、レミリアさまのままでは、紅魔館全体が危機に瀕する事は明確でした。それに、最近のお嬢様は以前とは比べても、随分と落ち着いていらっしゃいます。その証拠に、メイドの間では、今は自ら進んでお食事を運びたいと言うものも多いんですよ。もし、暴れたら私とパチュリーさまが止めればいいだけですから」 「……そっか。うん、ありがとう咲夜。そしてこれからもよろしくね」 そして、紅魔館は劇的に変わった。 主が変わっただけであるが。 それでも、それは、紅魔館の雰囲気を変えるのには十分だった。 今の紅魔館は、以前よりも穏やかだった。 フランは、主となってからは、従者に無理難題を吹っかけるような事はしなかった。 最近は、勉強がてら、図書館でよく小悪魔と楽しく話している。 周りから見れば歳の離れた姉妹のようだ。 地下での、監禁生活が長かったフランだ、自然と本を読む事が多かったのだろう。 来てはお茶を飲むばかりのレミリアと違って、図書館というものをよく利用している。 おかげで図書館の予算も随分増えたらしい。 一方のレミリアは、主の座から外れたばかりか、今や紅魔館での地位も最底辺に位置し、今話題に出る時の呼ばれ方といえば、『ゆっくり』か『れみりゃ』のどちらかだった。 初めは、紅魔館の恥だから監禁しろ、という激しい意見もあったが、パチュリーと小悪魔が自分達がきちんと面倒をみると名乗り出てそれは回避された。 何よりも、フラン自身がその辛さを判っていたためだ。 地下に移ってから二日後、二人が初めてゆっくりれみりの部屋を訪れた時のことだ。 さんざん暴れたのか、モノが散乱する部屋のベッドで、れみりゃはきぐるみを着たまま泣いていた。 汗を吸って、着心地が悪くなった服とシャツを乱雑に脱ぎ捨て、ドロワーズだけでも蒸れるきぐるみを着ていた。 ほぼ、裸に直接気ぐるみを着ていたため、肌は擦り剥いた様に赤く傷つき、所々汗疹が出来ていた。 こういう事になれていないパチュリーは、荒れたままだと衛生的ではないと思い、まずは暖かいお風呂に入れてやった。 「うぎゃー! いだいー!! でるー! だじでー」 絶叫しながら風呂から出ようとするれみりゃを、魔法で拘束してじっくりと湯に浸からせる。 「い゛だい゛ー!!! い゛だい゛よ゛ーざぐや゛ー!! だずげて゛ざく゛や゛ー!!!」 一人でいたのが余程寂しかった様で、しきりに(皆と)居たいと叫んでいるれみりゃに、パチェリーは涙を浮かべる。 近くで石鹸などを準備していた小悪魔は、パチェリーの行動におかしなところがあるのか、はたまたその勘違いに気付いているのか、ニコニコと微笑んでいた。 いったん浴槽から出して、小悪魔がゴッシゴッシと力をいっぱいに込めてれみりゃを洗い、またお湯に浸からせる。 今度は、湯冷めしないように暖かくしてたっぷり浸からせた。 れみりゃは、嗚咽混じりになってなお、絶叫し続けていた。 「これは、肌を清潔にしていないと聞かないの。だからさっきはちょっとだけ痛くしちゃったの」 ごめんね。 とうそか本当か知らない理由をれみりゃに聞かせ、回復魔法をかける。 ちなみに、れみりゃは肌が回復すると、あっさり信じた。 服を着せ、食事を与えた。 もちろん食事はお菓子の類だが。 着たがっていたので代えのきぐるみを着せ、外はまだ日が照っているので図書館に連れてきた。 「はい、お菓子ですよー。それじゃあ、今からこのご本を読みますね」 れみりゃの世話をする小悪魔。 こういうことが苦手なパチュリーには、汚れた服を洗濯室に持っていって貰っている 図書館に入ると、すぐ本に興味心身で悪戯しようとしていたが、すかさず出されたお菓子と絵本で、すっかりその気もなくした様であった。 「あっ、お帰りなさい。パチュリーさm」 小悪魔が持っていた絵本が床に落ちる。 れみりゃは自分で拾い上げて、絵だけを追っていた。 「パチュリーさま、それ……」 「……気にしないで、ちょっとふらふらしてメイドとぶつかっただけよ」 「だって……」 「大丈夫だから」 ちょっと着替えてくるわ、レミィをお願いね。 と言い残して自分の部屋の方へ消えていった、後には、どう考えてもカップ一杯の紅茶をかぶったとは思えないほど、濡れている床が残っていた。 「う~!!! 読みおわった~!!!」 笑顔で小悪魔に話しかけるれみりゃ。 「……ぁ、はい。ぇと、それじゃあ、こっちの絵本はどうですか?」 ちょうど、休憩にでてきたアリスとかち合ったらしく、なにやら騒ぐ声が聞こえる、暫くすると、着替えを手伝うといって部屋に入っていった。 小悪魔に、心当たりが無いわけではない。 元々、レミリアの無理難題にメイド達は困っていた、だからこそ監禁しろ等という意見が大っぴらに出てきたのだ。 それが叶わなかった事が、特に反抗心の強いメイド達には気に入らなかったのだろう。 せっかく監禁されると思っていたれみりゃがまだ館内を自由に歩いているのだから。 先ほど、地下から図書館に来る際にもそうだった。 「がぁお~♪た~べちゃうぞ~♪」 以前の調子に戻って、メイドたちに悪戯をしていた。 フランに叩かれたことに懲りていないのか、、メイドにだったら良いとまだ思っているのか。 その中でも、タックルの拍子に運んでいた紅茶をこぼしてしまったメイドがいた。 その、反抗心が強いメイドが、休憩がてら仲間と愚痴ろうと思って運んでいた紅茶だった。 パチェリーと小悪魔は直ぐに謝ったが、れみりゃは笑ったままだった。 すぐに、騒ぎを聞きつけたフランに叩かれて、泣きながら謝った。 ついでに、今は紅魔館で一番下の身分にいることも教えてみたが、どうやらそれはいまいち理解できなかったようだ。 小悪魔に用意させた紅茶を、受け取って仲間のもとへ急いだ彼女は、直ぐに仲間と相談した。 そこで出された結論は、 あの二人さえ諦めれば監禁されるのではないか? 二人が辛い目にあえば見かねたフランドール様が監禁してくれるのではないか? というものだった。 それが先ほどのパチュリーである。 ちなみに、ぶつかったのではなく、上からかけられたが正解である。 いくら力の有る魔女でも、魔力のまったく出ない方法では、避けることはできないらしい。 次の日の標的は、小悪魔だった。 図書館の給湯室に有る茶葉が無くなったので、厨房に貰いに行った帰り、中から不審な音がする缶を開けてみたら、大量のコックローチが入っていた。 思わず缶を落としてしまった拍子に、それが床にわらわらと這い出てきた。 「害虫は退治しないとね」 たまたま居合わせたメイドが、そう言いながら、小悪魔もろとも消毒液をかけてきた。 「小悪魔さん、害虫のお掃除はお願いしますね」 びしょびしょになりながら呆然とする小悪魔に向かって、そう言うと笑いながら行ってしまった。 大量のコックローチの死骸を、事務的に片付ける小悪魔の顔は、泣いてはいなかった。 それはもう、楽しそうに笑っていた。 日に日に、二人へのイジメは激しさを増していった。 食事の中に大量の虫が入っていたり、服が絵の具でべったりになっていたりもした。 それでも、二人は甲斐甲斐しく、れみりゃの世話を続けた。 「レミィは友達だもの、だから、あたしが面倒をみるわ。それと、フランや咲夜にも知らせないでいいわ、余計な心配をかけさせたくないから」 メイド達が心配になって声をかけても、そう言って世話を止めようとはしなかった。 しかし、それから数ヵ月後。 ちょうどアリスが来て一年ほどたったある日、とうとう二人に対してのイジメのことがフランの耳に入った。 直ぐに、フランはイジメの主犯格のメイドを捕まえこの場で消滅させようとした。 しかし、泣きながらパチュリーに止められた。 「……もう、レミィの記憶は無いのかも知れない、私の事も覚えていないのかもしれない。でも、それでもレミィの事は放っておけないの。」 小悪魔の胸に顔を埋めて泣きじゃくるパチェリー。 「……ねぇ、パチェリー。お姉さま……、ううん、これがゆっくりれみりゃと同じ様な生き物なら、自然に帰してあげない。勿論、すぐ適応するのは無理だろうけど、最初のうちは食事を持っていっても良いし、森にはゆっくり達も大勢いるし、……ふっ、服が汚れたらもって言っても……」 重苦しい空気の中、フランが口を開く。 次第に涙で、その声が擦れていく。 「だって、パチェリーや小悪魔がこんな事になってるなんて。お姉さまが私を閉じ込めてた時も、気が触れているって言われてた時も、二人は優しく接してくれたのに、何で……」 再び訪れた無言の時。 そのまま時間が、とまった様に過ぎていく。 「……そうね、フラン。私も、吸血鬼としてのレミィとしか考えて無かったわ。思えば、ゆっくりになったのなら、それに合った生活をさせてあげるべきよね」 「じゃ、じゃあ」 「ただし、最初は本当に仲が合うかどうか、確かめてからにして。レミィが一人ぼっちになるのは見ていて辛いから……」 「う、うん。わかったパチェリー。咲夜、何か良い方法はない?」 「それでしたら、以前訪ねたゆっくり加工場で、ゆっくりペットの預かりサービスを始めたそうです。そこへ数日預けてみてはどうですか?」 主の問いに直ぐに答える、まさに完璧な従者である。 「さすが、咲夜ね。……でパチェリー達もこれで同かしら?」 「ええ、判ったわ。レミィは私達が連れて行くから。それでいいかしら? 」 誰も異論はなかった。 今、紅魔館でれみりゃが一番懐いているのはこの二人だ。他の者にも人懐っこくじゃれつくが、いざ一緒に行くとなると言うことはきかないだろう。 「じゃあ明日、連れて行ってみるわ。そのついでにアリスの家の様子も見てくるから。彼女、人形の修理大体終わったから。それと……」 彼女達に、厳しい罰は与えないで、と言い残して扉の奥に消えていった二人。明日の準備をするのだろう。 「……さてと、ああ言ってたしね。とりあえず、あなた達は全員クビよ、それ以外の懲罰はしない。少ないけど退職金も払ってあげる」 咲夜、後はよろしく。と言い残して部屋を去るフラン。 この数ヶ月で随分と主らしくなってきたようだ。 翌日はどんよりとした曇り空だった。 どうやら近いうちに嵐が来るようだ。 お気に入りのきぐるみを、背負っているリュックに入れたおかげで、よたよたしているれみりゃ。 その手を引いたパチェリーは、一応日傘をもった、小悪魔にそんな事を呟きながら屋敷を出た。 やはり、以前は天敵だった日光の中でも平気なれみりゃは、もう吸血鬼ではないのだろう。 ゆっくりれみりゃ種も、日光には耐性が合った。 しかし、長時間当たると酷い日焼けが起こる、とも聞く。 外に出たれみりゃは、辺りを駆け回ろうとしたが、直ぐにパチェリーに手を引かれ戻された。 れみりゃを小悪魔に抱えさせて空を飛んでいく。 当の本人は、空を飛んでいるのが嬉しいようで、ずいぶんご機嫌だった。 加工場に着くと、連絡してあった通りすぐに職員の年配の男に会えた。 「こちらの空き部屋を準備いたしました。片側に檻が四つ、利用は二つとの事でしたが生憎二つの部屋は今、繁殖に使って空きがないんですよ」 「それなら仕方がないですね、パチュリーさま」 抱きかかえていたれみりゃを、檻の中にを入れながらパチュリーに訪ねる小悪魔。 ついでに、一人で取れないようだったリュックも外してやる。 れみりゃは始めてみる場所に興奮していた。 中でも、二メートル程の高さにあるはめ込み式の採光窓に興味深々のようだ。 少しくらいなら飛べる彼女は、外枠まで飛んでそこを手で掴んで外を見ていた。 「そうね」 ガチャン。遅れてきた別の職員がと鍵をかける音にかぶって聞こえるパチュリーの声。 音に気が着いて首を捻る。 何の音なのか分からない、れみりゃだったが、さらに一人、知らない人がいるのを見つけると、床に戻ってリュックを開け始めた。 中から出した気ぐるみを、四苦八苦しながらなんとか着て。 「ぎゃお~、た~べちゃうぞ~!!!」 お決まりの文句を、叫ぶれみりゃ。 「でも、ここでいいんですか? わが社の系列のペットホテルなら、村をはさんで反対側に有りますが」 「いいえ、ここで大丈夫です。それより以前の契約のことでお話が……」 「あぁ、それでしたらこちらの部屋で」 何の反応も示さない職員とパチェリー達。 れみりゃを残し、部屋を去ろうとしている。 「う~♪ ぅう? う~?」 後を着いて行こうと、檻を開けようとしたが開かない。 既にパチュリー達は、出口にまでさしかかっていた。 「うー。 まっで~!まっで~!!!」 必死に泣き叫んだのが効いたのか、小悪魔が小走りでこちらに向かってくる。 「ごめんなさい、レミリア様。すっかり忘れてました」 てへっ、と小悪魔っぽく笑う。 つられて、れみりゃも涙顔で笑う。 「ぶ~。わすれると、た~べちゃうぞ~!!!」 そう言って、抱っこをねだる様に両手を差し出す。 「はい。どーぞ」 笑顔の小悪魔から渡されたのは、大きなペロペロキャンディー。 お菓子を渡されみりゃは、嬉しそうに両手で掴んで舐め始める。 「う~♪ キャンデ~おいちぃ」 「それじゃあレミリア様、また後日お会いしましょう」 手を振って、小走りで駆けて行く小悪魔、他の人は既に部屋からでていた。 バタン。 小悪魔が部屋から出ると同時に扉が閉められた。 部屋の廊下の電気も消された。 「う~? !!!」 檻を激しく揺らす。 それでも、お菓子が大事なのか。片方の手でお菓子、もう片方の手で檻を揺らす、という格好だ。 もちろん、見た目相応の力しかないれみりゃでは、檻はビクともしない。 そのうち、キャンディーを放り投げ両手で試すが、結果は同じだった。 「うー。も゛どっでぎでー。う゛ー、う゛ー」 激しい泣き声、だがこの工場では、日ごろからよく耳にする声だった。 その頃、アリス宅を訪れたパチェリー達は、寝ている三人を起こさないように魔法をかけ、家の中に入っていった。 予定通り、入るのは自由だが出ることは出来ない、簡単な捕獲魔法をかけた。 その後、眠っている三匹を加工場まで運び、れみりゃがいる部屋の一番奥の檻に入れ、その日は仮眠室で睡眠をとった。 ちなみに、れみりゃは既に泣きつかれて眠っていた。 泣きながら、きぐるみを抱きしめてそのまま眠ったらしい。 まるで、以前までその気ぐるみを着ている人に抱きつくように。 翌日、小悪魔は別な仕事があると言って出かけてしまった。 なので、今朝はパチェリー一人で、仕事に取り掛かった。 ゆっくり魔理沙の友達に、明日から嵐だから皆を誘って、ゆっくり魔理沙達の家の避難したほうがいい、と言って回った。 アリスの家に着き、姿を消して様子を見ると、ゆっくり魔理沙に味方をした様々なゆっくり達が、食べ物や酒や氷、時には薬を持ち寄ってアリスの家に入っていった。 入る前から、何かを食べているようなゆっくりも何匹かいた。 それを暫く眺めた後、その場所を後にしたパチュリーは、紅魔館に戻る前もう一度れみりゃの元を訪れた。 パチェリーを見たれみりゃは、泣き顔を無理やり笑顔にして、帰る帰ると喜んでいた。 いそいで、きぐるみを着始めるみりゃ。 「いい子にしてたら迎えに来るわ、それと食べ物はちゃんと食べること」 それだけ言って、その場を後にした。 きぐるみを着終えて、必死にリュックを背負おうとしていたれみりゃの顔は、また泣き顔になった。 紅魔館に戻り、一緒に紅茶を飲んでいたフランとアリスに、れみりゃを預けてきた事を伝え、ついでに、ゆっくり達も殆どいなくなってた、と伝えると。 「そう、人形も直ったしちょうどいいわ」 今までありがとう、と咲夜に言ってから図書館へ戻った。 蓬莱と、修復された上海人形が付いて行く。 小悪魔が、それじゃあ明後日お別れパーティーをしましょうと提案すると、フランも咲夜も二つ返事で賛成した。 原因には、ここ一年間、パーティーらしいパーティーをしていなかったことも有るだろう。 図書館に戻る際、小悪魔は思い出したように、フランにお金の入った袋を渡した。 お金の料は先日クビにした分全員の退職金と同額。 「最近、蟲に襲われたモノがいるらしいですよ」 と咲夜。 「熱湯を被って、死んだモノもいたわ」 去り際に、パチュリーが呟いた。 所変わって加工場。 「う~~♪」 着ぐるみ正面に付けられた大きなポケットから、紅魔館特製のパイ、丸ごと一個を取り出すれみりゃ。 出かける前、咲夜が渡してくれたパイだ。 「う~、しゃくやのぱ~い」 少しつぶれてはいるが、つぶれていてもおいしそうなパイ。 パチュリーが出て行ってずっと、泣いていてから、お腹が減ったれみりゃ。 まわりに、散らばっているお菓子はここで与えられた食事だが、どれも一口食べて投げ捨ててしまった。 つまり、昨日から殆ど何も食べてない。 自分の顔ほどもある大きなパイを両手で持って一かじりしようとした時。 「おや、お嬢ちゃんおいしそうなの食べているね」 朝食にキャンディーを持ってきた若い男だった。 「う~う~!!!」 手を後ろに回し、パイを隠す。 「大丈夫、とらないよ。そんなに美味しいのかいそれ?」 「う~♪ う~♪ しゃくやのぱい、おいし~」 勢いよく首を縦に振る、首を倒すたびに、ぶかぶかのきぐるみにの頭部が顔まですっぽりかぶさるのも気にしないで。 「そうかい。……その前、ちょっと一緒においで。預けられた時に、他のゆっくりを紹介して欲しいって、頼まれてたの忘れてたよ」 鍵を開けて、きぐるみを脱がせてから抱きかかえる。 「う~。 おでかけおでかけ~」 トイレ以外で、出されるのが初めてなれみりゃは、空腹を一時忘れて、始終はしゃいでいた。 到着した扉の先には、たくさんのゆっくりたちが檻に入っていた。 「お友達?お友達?ゆっくりしていってね!!!」 ここで繁殖したものなのだろう、檻に閉じ込められていても殆ど気にしていない。 「う~?」 「君と同じゆっくりだよ。お前さんもこいつらと同じ仲間だ。」 「う~!ゆっくり、ゆっくり♪」 檻の前まで行って、一緒にゆっくりと叫びながら踊るれみりゃ。 張り切りすぎて何度か顔から転んだが、ゆっくり達に励まされて泣きもせずに踊っていた。 自分と同じ仲間と話せたのが、よほど嬉しかったのだろう。 「そろそろ戻ろうか」 「また、ゆっくりしようね!!!」 「う~♪ ゆっくりするする!!!」 元気よく挨拶して部屋をでる。 自分の檻に着いた時。 きぐるみの上に置いてあったパイを見て、食べる直前に連れて行かれたことを思い出した。 「しゃくやのぱ~い、はやくあけて、あけて」 急かされながら檻を空ける職員。 そして、中に入ってれみりゃを降ろすと、彼女より先にパイをとって帰っていこうとした。 しかし、返して、お腹減ったと、れみりゃが必死にしがみ付いてきたので、イチゴしか食べていないショートケーキを放り込んで。 「ここでは、勝手に自分の物を食べちゃダメだよ」 そう言って、頬を動かし水飲ませて、れみりゃに無理やり食べさせて、帰っていった。 咲夜のパイを取られたれみりゃは、また大声で泣いた。 となりから、ゆっくり、と楽しそうな声が聞こえて、さびしくなって更に泣いた。 しかし、今度はお腹が膨れた事も手伝って、割と早く寝てしまった。 また、きぐるみを抱いて。 翌日は、トイレに連れて行かれる以外何も無かった。 お気に入りのきぐるみを着ても、元気が出なかった。 夕方になって、お腹がすいたので、散らばっている中から、小悪魔からもらった、ペロペロキャンディーを見つけてなめる。 お腹は殆ど膨れなかった気を、紛らわせるように、今日はきぐるみを着て眠った。 翌日、れみりゃより早く起きたパチュリー達は、アリス家の補修を手伝うついでに泊まってくる、と言って、三人で紅魔館を出発した。 「そういえば、フランも言っていたけど、昨日のパーティーで出たお肉、すごく美味しかったわ。小悪魔が、準備して調理したって聞いたんだけど?」 「はい、色々をお世話になったので、美味しく調理して差し上げようと思いまして。特に下ごしらえが大変でした」 ニコリと笑う小悪魔。 よほど、褒められたのが嬉しかったのだろう。パチュリーに対しての悪戯が、成功した時のような満面の笑みを浮かべていた。 アリスの家に行く前に、加工場に立ち寄る。 手筈通り、一旦小悪魔に屋敷に戻らせる。 「う! う~!う~!」 パチュリーを見つけたれみりゃが、必死で声をかける。 しかし、それを素通りして、すぐアリスと見に行ったのは、奥の檻だった。 「そうね」 とだけ口にして、パチュリーと小悪魔は直ぐに別の檻、れみりゃが入っている檻の前に立つ。 「う~♪ う~♪」 迎えに来た、と思ったれみりゃは急いで、きぐるみを着て檻の前に近づく。 リュックを片手で持ち、もう片方の手で勢いよく檻をゆらす。 希望通り、直ぐに鍵が開いた。 勢いよく、パチェリーに抱きついた。 「れみ☆りゃ☆う~♪」 そして、あのふてぶてしい笑顔で喋るれみりゃ。 「だめじゃないレミィ、食べ物をこんなに散らかして。それにこんなに残して」 悪い子ね、と耳元で呟くパチュリー。 ふと、隣を見ると、アリスがゆっくり達の卸し価格を話していた、どうやらかなり高額で取引されたようだ。 「あぅ、あぅ。……れみりゃゆっくりじでだよ! いいごにじでだよ!!!」 また檻に入れられる。 そう思ったのか、目に大量の涙を浮かべながら、必死に説明するれみりゃ。 「大丈夫よ、またここに入れたりはしないわ」 優しく、パチュリーは言う。 れみりゃ、もこれで安堵したようだ。 「まぁ、今まで屋敷で食べていたお菓子に比べたら味は落ちるでしょうけど、これからはこれで我慢しなくちゃいけないのよ。……レミィ」 ぽつりと独り言の様に言うパチェリー、それに反論するアリス、言われた意味が分かっていないれみりゃ、がそこに居た。 一方、紅魔館。 「フランドール様」 「あっ、小悪魔。加工場から戻ってきたの?」 「はい」 「それで、あのゆっくりれみりゃはどうだった?」 「はい♪ 他のゆっくりたちと仲良く遊んでおりました。ですので、寂しくて辛いですが、森に放す事にしました♪」 今回の一番の張本人がそこにいた。 please wait next story
https://w.atwiki.jp/niconicojikyouplay/pages/2289.html
【ゲーム】幻想水滸伝II(PSP) 【作者名】Fees(ふぇす) 【完成度】更新中(09/03/04~) 【動画数】 【part1へのリンク】 【マイリストへのリンク】http //www.nicovideo.jp/mylist/11352262 【備考】 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/fedic/pages/1675.html
ボツマン 聖戦 Lv4 マージ 装備(攻撃/攻速)サンダー(16/0) HP30 力0 魔力8 技7 速7 守備1 魔防6 闘技場の7章2戦目に出現する対戦相手。 クロトーと戦闘能力は変わらず、魔法がファイアーからサンダーになっている。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2880.html
注意 ぺにまむ設定が一行だけ存在します。 物理法則を無視している可能性があります。 虐待描写は少ないかと思います。 オリジナル設定がかなりあります。 以上が苦手な方は、ご注意下さい。 『ゆっくりじゃーの』 ここは中規模の加工所『ありす工房』。オレンジの香りが特徴的な、ゆっくりありすを原料に用いた商品、 『ゆっくりじゃーの』という商品の製造、販売を行っている。 長い間製法は門外不出の企業秘密となっていたが、特許関係の整備やブランドの確立に成功したため、 今では更なる知名度向上を目的として、ゆっくり加工食品の流通業者や販売店の職員を主な対象に見学会が開かれている。 今日はこの見学会に参加するため、ここにやって来た。 「皆様、ようこそお越し下さいました。本日皆様をご案内させて頂きます、当工場の工場長、○○○○と申します。 どうぞよろしくお願い致します。 さて、本日は当工房の主力商品、『ゆっくりじゃーの』の製造過程の見学ということで、 一通り作業工程をご説明しながら回りたいと思います。では早速、その製造過程をご案内させて頂きます。」 「最初は原料となる赤ありすの育成をご覧下さい。産まれる直前の赤ありすを収穫し、 人工的に生まれさせることから始まります。使用するのは植物型妊娠で産まれたありす種のみです。 赤ありすの状態から、商品加工に適するサイズになるまで、元一流のブリーダーである当工房の飼育員による徹底した管理の下、 ゆっくりにとっての理想の環境で極限までゆっくりさせます。」 「「「ゆーゆーゆーゆゆゆーゆー♪」」」 「すーりすーり、しあわせー♪」 「おねぇちゃんくすぐったいよぉ」 「きょうもとかいはなしょくじね!!!むーしゃむーしゃ、しあわせー♪」 同じくらいのサイズのありすが数匹、思い思いに過ごしている。 味も栄養も量も文句なしの食事、 完璧に管理された気温と湿度、 近くに安全な水場を設けて遊びに困らないようにしたりと至れり尽くせりの環境を用意してあるとのことだ。 しかも少し向こうでは… 「やべでぇぇぇぇずっぎりじだぐなぃぃいいぃぃぃいいいぃ!!!」 「やめてね!!やめてね!!ゆっくりやめてねえぇぇぇぇ!!」 「んほおおおおおおおおおぉぉぉぉ!!すっきりーーーーー!!」 ありすがまりさ相手に無理矢理すっきりしていた。 もう十分満足したのか、蔦を生やしてぐったりしているまりさから離れ、群れの方へと戻っていく。 飼育員と思われる人が、すっきり用に使われたまりさをゴミ袋に詰めている。 「只今のように、食事や普段の生活環境のみならず、ありす種特有の強い性欲を発散させるために、 すっきり用に繁殖させたまりさ種やれいむ種を宛ってやる、といったこともしています。 ここで行われる育成で最も重要なのは、一切のストレス、苦労、苦痛を教えないことです。 産まれたばかりの頃は、近くに親らしき存在がいないことで不安になりますが、 この究極のゆっくりぷれいすと、優しい飼育員達に囲まれ、すぐに機嫌を良くするので全く問題ありません。」 なるほど、最高の環境と言うだけはある。 常にニコニコとした実に楽しそうな表情を浮かべているありすを見ても良く分かる。 お陰で自分を含めた参加者の半数近くが、随分とイライラした表情をしている。 「このような環境の下ですと、大抵のゆっくりはゲス化してしまうものですが、そうならないように飼育員が教育します。 全員一流と呼ばれたブリーダーだけあって、その手腕は確かで、どの個体も皆聞き分けの良い子に育てられます。 それに忘れられ勝ちですが、元がそれなりに知能の高い種族ですので上手く教えればきちんと覚えることが出来ます。 最高の環境で育ち、一流の教育を受けた自分達を誇りに思い、自他共に認める素晴らしくゆっくりとした個体が出来上がるのです。 半年ほどで大きさだけは十分に育ちますが、中身を熟成させるため、あともう1年ほどここで生活させます。」 「さて皆様、あちらをご覧下さい。」 「おでぇじゃあああぁぁぁん!!だずげでえよおおおおおおぉおぉぉぉ!!!」 「ゆっぎゅりできないひどだぢがいぢべるわぁぁぁぁあぁぁ!!」 「どぼぢでむじずるのよおおぉぉぉ!いぎゃあああああぁぁぁぁ!!」 「18ヶ月の飼育を経て、ようやく加工できるようになった成体ありす達を、工場のある棟に移動させているのです。 泣きながら今までずっと傍にいた飼育員に助けを求めていますが、当然それを助けることはありません。 彼、彼女らの仕事は製品に適したありすを育てることであり、またそれが誇りでもあるのです。 さぁ、これでありすの飼育が終わり、工場のある棟に連れて行かれました。 ここから本格的な加工が始まります。私たちも工場棟に参りましょう。」 次に連れてこられた工場棟は、大規模な加工所でも見ることのない、変わった機械や道具で一杯だった。 参加者は皆興味深げに当たりを見回している。 先ほどの飼育舎を見せられてストレスマッハになっていた参加者は特に嬉しそうにしている。 「運び込まれたありすは、全員この機械に固定され、定期的にゴム素材で出来た広い板で全身をくまなく叩かれことになります。 ある程度叩いたら、死なないようにオレンジジュースをかけて回復させます。 叩いては回復、叩いては回復を、これから48時間休まず続けるのです。」 「ゆべっ!ゆぐっ!ゆぎゃっ!どぼぢでごんなごどぉぉぉ!!」 「いじゃいいいいぃぃぃぃぃ!!だずげでえええぇぇぇぇぇぇ!!!」 「ごんなのぜんぜんとかいはじゃないわぁあぁ!!おうちがえじでよおぉ!!」 「皆様のご来訪に合わせまして、予め48時間あの機械にかけたありすを用意しておきました。 どうです、叩かれて即回復を繰り返していたため、表皮は硬く、分厚くなっているでしょう。」 48時間の責め苦を受け続けたありすは、あちこち腫れ上がって元の大きさの1.5倍くらいの大きさになっており、 弾力は失われてタイヤのゴムみたいな感触をしている。 「変化はそれだけではありません。中身にも、見た目以上の劇的な変化が起こっているのです。 先ほどご覧頂きましたように、これらの個体はほんの2日前まで一切の苦痛を知らず、 産まれてから18ヶ月の間ずっとゆっくりし続けたものです。 こういった惜しみない愛情を注がれて育ち、心からゆっくりし続けた個体が突如苦痛に見舞われた際、 中身の味に深みが出るという性質があります。 ほんの少し前まで自信に溢れ、ゆっくり以外したことのなかったこのありすたちも例外ではありません。 2日前と現在では、味に明確な違いが出ているのです。 先の、見る人が見たらストレスがマッハになりそうな部屋は、そのためのものです。」 「さて、次の工程の説明をさせて頂きます。 48時間の処理を経て皮が変質したありすの中から、形の良いありすを選ぶ作業に入ります。 大きくて皮が丈夫な個体ほど商品に適した個体ということになります。 選ばれなかったありすはその場で丁寧に皮を剥かれ、中身のカスタードを取り出されます。」 サクサク…サクサク…。ベリッ…ベリッ…。 いよかんの皮でも剥くかのように、頭のてっぺんから足に向かってまっすぐ縦に、等間隔に6本切り目を入れている。 それが終わったら、6等分された頭皮を一枚一枚丁寧に剥ぎ、見る見る中身のカスタードを露出させていく。 「あぎゃあああああぁぁぁぁ!あでぃずのどがいはなおはだぎゃああぁぁぁぁ!!!」 「おでぇぢゃあぁぁぁん!!やべでぇぇ!おでぇぢゃんにひどいごどじないでぇぇ!!」 「ゆぐぐうぅぅ…おうぢがえりだい…もっどゆっぎゅりじだが…た…」 「いやああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 取り出したカスタードを大きめのボールに入れ、変な白い粉を混ぜ始めた。 互いに混ざり合ってやや堅めになったものを今度は二人で団子状に丸めていく。 しかも手作業だというのに異様に早い。なんとも職人を感じる光景だ。 「その取り出したカスタードに、製造過程の要となる白い粉を混ぜて、選ばれたありすに全部食べさせます。 普通のゆっくりなら絶対に食べきれない量ですが、先の工程で皮が格段に強化されているため、 無理矢理全部詰め込んでも弾けることはありません。 しかも硬くなった表皮のせいで満足に動けず、暴れることも不可能であるため、非常に都合がよいのです。」 「やべでぇ…ありすのおねえちゃんだよ…たべたくないよぉ…」 「ゆぐっ!!うーー!!うーーー!!!」 一人がありすの口を無理矢理開き、もう一人が次々にさっき作った団子を喉の奥に詰め込んでいる。 ある程度詰まったら押さえている側が背中(あるいは後頭部)を蹴り、飲み込ませていく。 全体の7割ほど食べさせた時点で、一度飲み込ませるのを止めた。 「この時点で全部食べさせる必要はありません。とりあえず限界まで食べさせたら、残りを口の中に全部詰めます。」 そこまで説明すると、工場長が合図を送り、二人が作業を再開した。 どうやら特別に説明に合わせて作業をしてくれているようだ。 説明の通り、残り全部の団子を口に詰め、すかさずゆっくり用の万力に固定した。 自分の上下から加えられる強い力に、自力で口を開くことが出来ないようだ。 一人がそんな状態のありすの唇を開き、もう一人が小型のアイロンのようなもので前歯の表面を撫でている。 暫くすると、砂糖で出来た歯が溶け、見事にくっついてしまった。 更に今度は一人が右頬を引っ張り、もう一人が上下の奥歯をくっつけていく。 全部の歯がくっつき、完全に歯の隙間が埋まったようだ。 万力から外して口を開けても、白い半透明の平面が見えるだけ。 必死に口を開けようとしているのが、口の動きから見て取れる。 「歯が完全にくっついて口が開けられなくなったら、今度は口全体の処理をします。 最初に唇を切り取り、切り取った唇をミキサーにかけてペースト状にし、それを再度ありすに戻して小麦粉で塞ぐのです。」 再び万力で固定されたありすの唇を、慣れた手つきで切り取っていく。 切り取った唇を工場長の説明の通りミキサーにかけ、出来たペースト状の物体をありすの口に戻していく。 最後に、予め用意して置いた水で練った小麦粉をかぶせ、よく馴染ませてこの作業は終了のようだ。 因みに当のありすは、口いっぱいに詰め込まれた団子とくっついた歯で叫び声は上げられないが、 両端が裂けるんじゃないかというほど目を見開き、だらだらと流れる涙で足下に水たまりを作っていた。 「次は底部、通称「足」の処理をご紹介致します。まずはこの装置をご覧下さい。 表面がツルツルに磨かれた直径5mほどの丸い陶器の板がぐるぐると回転している。 板の上にはアームが1本、昔のレコードプレイヤーのように中央に向かって伸びている。 「各装置の排気熱を利用してお湯を沸かし、そのお湯を大きな陶器製の板の下に流して熱しているのです。 言うなれば巨大な湯煎鍋と言ったところでしょうか。 表面の温度は、お湯を注いだばかりの湯飲みの熱さ、と言えば分かりやすいかと思います。 さて、熱くなった陶器の板の上にありすを置き、底部だけを焦げ目がつかないように低温でじっくり焼きます。 個体の大きさなどで多少の差がありますが、足の機能が完全に失われるまで大体6時間ほどかかります。」 確かにお湯を注いだばかりの湯飲みは熱い。うっかり触って火傷したことのある人も多いだろう。 バキッ!!ドスッ!!ボゴォッ!! 「〜〜〜〜!?〜〜〜!!!」 いきなり、職員の人がさっきの工程で口を完全に消されたありすを殴り始めた。 いきなりのことに、ありすは勿論、参加者も全員驚いているが、慣れているのか、工場長は穏やかに説明を始める。 「いきなりのことで驚かれたと思いますが、心配は要りません。 最初に殴って気絶させておいた方が後の作業を効率よく進められるのです。 低温で、とは言いましたが、やはりそれは生き物にとってはダメージになります。 熱さに耐えかねて途中で転んだり転がったりされては十分に足が焼けなくなるのです。 そうしたことが起こらないよう、まずはありすを特製のカゴに入れます。」 そういって目の前に出てきたのは、妙な形をしたカゴのような物体。 身近なもので表現するならば、フェンスで作られたシルクハットと言ったところだろうか。 ありすを熱い陶板の上に置き、素早くそのシルクハット型のカゴをかぶせた。 なるほど、ありすの体がすっぽり収まり、横になることは出来なさそうだ。 しかもシルクハットのつばの部分があるお陰で、カゴごと転ぶといったことも不可能になっている。 体無しゆっくりの生命線、足にくわえられる熱に、殴られて気絶していたありすが意識を取り戻したようだ。 急な熱さに暴れようとするが、硬くなった皮と特製カゴに固定され、体を動かすことが出来ない。 「カゴに入れられたありすは板の回転に合わせて動きますが、それを一本のアームが受け止めます。 こうすることで、常に熱い板に底部をこすられる形になり、足が機能を完全に失う頃には、 底部がほぼ完全な平面に焼き固められるのです。足下に涙が溜まってしまい上手く焼けなくなることもありません。 これで足の処理は終了です。」 「こちらは予め用意しておきました、足の処理が終わったありすです。 カチューシャを外し、髪を剃り、その後、粗い下ろし金で、目を傷つけないように注意しながら足以外の全身を激しくこすります。 この際、髪が二度と生えてこないように、毛根も全て削り落としてしまいます。 外したカチューシャは使い道がありませんので、捨ててしまいます。」 足の機能を完全に破壊された上、さっきの説明の通り、底部が見事に真っ平らになっているため、 身じろぎ一つとれないありすが目の前に用意される。 口の加工、6時間もの焼きに涙が完全に枯れたのか、絶望に塗りつぶされた目からは一滴の涙も流れていない。 そんな状態でも、カチューシャが外されると限界まで目を見開き、砕かれるのを見て目が潤み、 ゴミ箱に捨てられるのを見届けた直後に滝のような涙を流した。 よくよく耳を澄ませてみると、下界から完全に遮断された口の中から、くぐもった叫び声が聞こえてくる。 ショリショリショリショリショリ…。 泣いている間にもどんどん髪の毛が無くなっていく。 口があれば、「ありすのとかいはなかみがああぁぁぁ!!やべでぇぇぇゆっぐりできなぐなるうぅぅうぅぅ!!」とか叫ぶのだろう。 もう目の色でしかありす種としか判別の付かなくなったハゲ饅頭を、今度は目の粗い下ろし金でどんどん削っていく。 涙の勢いはさっきとは比べものにならないくらい強くなっており、全身を襲う激痛に体をよじらせて悶えている。 くぐもった声も、さっきより大きい気がする。 「全身ボロボロの擦り傷だらけになったら、今度はナイフで格子状に切り目を入れていく作業に入ります。 切り目の深さは8〜10mm程度。やはり目を傷つけないように注意します。 硬くなった皮に誤差2mmの範囲で均等に傷を付けるには、熟練の技が必要となります。 目を傷つけないように、と言っている理由は、後ほど実例付きで説明させて頂きますので、今はどうかご容赦下さい。」 一人の男が、厳しく鋭い目つきのまま、一心不乱にありすの表面に切り込みを入れていく。 目を潰さないようにしなければならないため、顔の全面を切る時は特に険しい表情になる。 目の先30?で険しい表情をした男が脇目も振らず自分の顔を切り付ける。これは絶対に怖い。 「ナイフを入れる作業が終わったら、先ほどカスタードに混ぜたのと同じ白い粉と食塩を混ぜたものを用意し、 それを万遍なくありすの全身にまぶします。 またその際、涙で流れてしまわないように、目に水泳で使うゴーグルのような器具を装着させます。」 あの状態の体に塩を塗り込まれる苦しみは想像を絶するものなのだろう。 満足に動けず、口もきけず、涙さえ止められたありすの、目に見える反応は殆どないが、確実にくぐもった声は大きくなっている。 「傷が塞がりましたら、今度はオレンジジュースで茹でる工程に入ります。 ここで一度傷の再生と表皮の質感を回復させるためです。 始めはぬるいオレンジジュース、暫くしたら温かいオレンジジュース、その次は熱め、 その次は本当に熱いオレンジジュースに入れていき、少しずつ温度を上げながら、最終的に沸騰したオレンジジュースで茹でていきます。 この工程で表皮の傷や質感は回復しますが、足の機能や毛根は完全に破壊されているため、再生されることはありません。」 最初の温いオレンジジュースに入れられるありす。 何をされるのかと怯えに怯えていた様子だったのが、急に心地よい風呂に浸けられたことで、混乱しているようだ。 引き揚げられ、温かいジュースに移される。全身にオレンジジュースを浴びたことで体力が回復し、 更にさっきより快適な温度になったことで、幾分安心しているようだ。 目に見えて傷が治っていき、更に皮から水分を吸収しているのだろうか、質感も幾分良くなっている。 次は熱めのオレンジジュース。茹でる作業をしている職員に不快感を目で訴えているが、 慣れてしまえばこれもなかなか気持ちよいらしく、すっかりくつろいだ表情をしている。 もっとも、こうした気分はここで終わる。 次は本気で熱いジュース。鍋の表面が大きく波打っているのは、何とかして出ようともがいているからだろう。 こうして、どんどん温度を上げられていき、最後の沸騰オレンジジュースに入れられた。 ぐつぐつと煮立った鍋を見て、入る前から逃げようと必死にもがいていた。 ゴーグルを装着したままなので、目が煮えてしまうことはない。 「オレンジジュースでの煮込みが終了したら、次は整形作業に入ります。 先ほどまでボロボロだったありすですが、オレンジジュースから引き揚げた直後は、 皮の厚さはそのままに、もちもちした触感の柔らかい饅頭のようになります。 表皮に含まれる水分が蒸発して再び硬くならないうちに、平べったい太鼓の形をした枠に押し込み、 丸3日風通しの良い部屋の棚に並べて形を整えます。」 鍋から引き揚げられ、ゴーグルを外されたありすは、先ほどのボロボロの姿とはうって変わり、 蒸したのように湯気を盛んに上げている、なんとも美味しそうな饅頭になっていた。 焼き固められた足もすっかり柔らかくなり、ズタズタのボロボロだった体も引っ張ればどこまでも伸びそうだ。 その触れば火傷しそうなほど熱く、すっかり柔らかくなったありすを、厚めの布の上に置き 、一回だけ布で巻いてから、ありすの側面に、見るからに頑丈な金属製の型をはめた。 平べったい太鼓のような形をしている。 型枠をはめたら、頭の上にも平らな板と重しを乗せて、整形の下準備は完成、とのことだ。 「例によって3日経ってから型から外されたありすを用意してあります。 風通しの良い場所でゆっくりと乾燥させたため、分厚い皮から水分が程良く抜け、 太鼓のような形を保っているのが分かるかと思います。 足も完全に機能を失っておりますので、自力で動くことは勿論、この形になっては転がることも出来ません。 完全無抵抗なありすの完成です。 今度はありすを飽和食塩水に浸す工程に入ります。 食塩水に浸してすぐに乾かし、また浸してすぐに引き揚げ乾かすという作業を繰り返します。 十分に塩分が表面に染みこんだら、今度は全身に焼き印を入れます。」 向こうではすっかり形の変わったありすを食塩水に浸したり引き揚げたりしている。 涙を流すための水分に困ることはなさそうだ。 こういった作業が終わり、十分に塩分を蓄えたありすは、目が下に来るように固定され、全身に焼き印を入れられていく。 焼き印の文字は今から約1年半後の日付になっている。 焼きごての温度、押しつける強さ、時間が正確に定められており、これにも熟練した技術が必要だと言う。 目を下に向けて固定しているのは、涙で濡れて上手く焼き印が入らなくなることを防ぐための処置だそうだ。 「焼き入れが終わったら、今度は型くずれ、乾燥防止のためにワックスを全身に塗っていきます。 気泡が入らないように注意しながら、塗っては乾かし塗っては乾かしを繰り返します。 ワックスの厚さが2mmくらいになったら塗るの止め、最後に乾燥させて、これで下準備が全て完了したことになります。 最後に、熟成室で最低2年寝かせて完成です。」 「ところでこのありす達、どこから仕入れたのだろうと気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。 手間暇を惜しまず、じっくりと時間をかけてひたすらに商品の質を向上させていくことに全力を傾ける我々は、 当然原料となるありすも自家製です。 一度この場を離れて、当工房自慢の素材製造過程をご覧頂きたいと思います。」 「ここが、当工房の繁殖室です。この工房で使用されるありすは、全てこの飼育室で繁殖させております。」 「んほおおおおおおぉぉぉぉ!!!すっきりいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃ!!!」 「い゙や゙あ゙あ゙あ゙あ゙ぁぁぁぁぁぁ!!やべでぇぇぇぇぇ!!もうごどぼうみ゙だぐない゙いいいいいいぃぃぃぃぃ!!」 「まりさのまむまむさいこうよおおぉぉぉ!!!すっきりーーー!!!」 「ぼうやだあああぁぁぁぁぁぁぁ!!!ずっぎり゙いいいぃぃぃ!!」 「ありすはまりさじゃないわよおおぉぉぉぉ!!ちがうっだらぁああぁぁぁぁぁ!!!」 「だれかとってぇぇ!!あがぢゃんがじんぢゃううぅぅぅぅ!!」 「いやあああぁぁぁっ!!はずしてね!!はずしてねえええぇぇ!!」 れいぱーの本領を存分に発揮している成体ありすと、 まりさ種の最大の特徴である黒い帽子を被せられて無理矢理ありすにすっきりさせられている成体ありす。 少し離れたところには異様に太い蔦を生やし、その先に十ばかりの灰色の球体と数個の子供を実らせた植物型妊娠中のありすがいる。 「ここにいるのは全部ありす種で、種付けする側と子供を産む側に分けられています。 この部屋自体が、他の部屋と比べても相当特殊な構造になっていますので、まずは部屋の説明から始めさせて頂きます。 妊娠や出産はゆっくりの体力を大きく奪うものであり、若いゆっくりは論外、 成熟したゆっくりであっても度が過ぎると死に至る、というのは周知の事実。 その中でも特に性欲の旺盛なありす種の場合は、そういった事故が起こりやすいのは、想像に難くないかと思われます。 この工房では、それを防止するため、部屋全体、床上5cm程の高さまでオレンジジュースが張ってあります。 このお陰で、産む側のありすは衰弱死することがなく、常に栄養状態の良い子供を産むことが出来るのです。」 「次に繁殖用のありすの説明に移ります。この部屋のありすは種付け用と出産用がいて、 普段は勝手にすっきりをしないように、鉄格子で隔てられています。 また、種付け用ありすどうしですっきりされても困りますので、種付け用ありすが互いに触れあえないように仕切りを作っています。 赤ありすが必要になりますと、職員がこの部屋に入り、種付け用のありすを揺すり、発情させてから鉄格子を開けてやります。 するとすぐに出産用ありす相手にれいぱーの本性全開にすっきりを始めるのです。 子供を産む側となった出産用ありすは足を焼かれている上に、 直接体に何本も釘を打たれて床に固定されていますので、すっきりを拒むことが出来ません。 また、産まれた子供を飼育棟の環境で長くゆっくりさせる必要があるため、 体も精神もある程度育った状態で産まれてくる動物型妊娠では都合が悪いので、 動物型妊娠用の器官は前もって破壊し、どんな方法であっても必ず植物型妊娠になるようにしてあります。 ありす種どうしではあまり繁殖効率が良くないので、出産用ありすはカチューシャを外して、 代わりにまりさ種の帽子を被せています。 こうすると、何故か種付け用ありすは出産用ありすをまりさであると認識するので、手早く種付けを完了させることが出来ます。 一度目のすっきりが終了し、出産用の頭から蔦が伸びてくるのを確認すると、 二度目を始めないうちに職員が素早く種付け用を引き離し、元いた場所に戻して鉄格子を閉めます。」 「どぼぢでぇぇぇぇ!まだまだずっぎりずるどおぉぉぉ!!」 「ばりざあああぁぁぁぁぁぁ!!もっととかいはなことじばじょうよおおぉぉ!!」 たった一回のすっきりでは物足りないのか、自分たちを隔てる鉄格子をどうにかしようと激しく体当たりを繰り返している。 足下のオレンジジュースが回復させるので、ただただ痛い思いをし続けるだけなのだということには、未だ気付く様子はない。 一方、無理矢理なすっきりをさせられた出産用ありすの頭からは、蔦が生えている。 通常ならば赤ありすが実るまでまだまだ時間が必要だが、出産用ありすを絶えず襲う危機感や絶望感が繁殖本能を刺激するのだろう、 足下のオレンジジュースの強烈な後押しも受けて、もの凄い早さで赤ありすが実り始めている。 速度だけでなく、その数も異様である。通常一つの蔦に5匹程度、多くても10匹程度実るところ、 それのおよそ2倍の数の15匹から20匹程度が一斉に実り始めている。 それらの重さを支える蔦も通常では考えられないほど強靱で、その太さは倍以上ある。 「実る子供の数やその成長速度が通常とは比較にならないのは、只今ご覧になられた通りです。 成長速度がある程度落ちてきたところを見計らい、種付け用を隔離して待機していた職員が赤ありすを選別していきます。 実った赤ありすの中から、肌の張りや質感はどうか、髪の艶や色はどうかを調べ、 将来どれくらいの質のゆっくりになるかを見極めるのです。 この作業は、この道30年のベテランである彼が担当しています。」 「皆様、本日はようこそ。ゆっくりありす繁殖担当、□□□□と申します。今から、実際に一連の工程をご覧に入れましょう。」 作業を始めた途端、さっきまでの柔和な表情が一変し、険しい表情になり、 真剣な目つきで一つ一つ赤ありすを吟味していく。彼もまた、この工場が誇る熟練した職人の一人のようだ。 「やべでえぇぇぇぇ!!ありすのとかいはなごどぼいじらないでぇぇえぇ!!」 「今回は、これとこれとこれ、あと根本のこの一匹を選びます。これ以外の赤ありすは全て間引いてしまいます。」 「いやああぁぁぁぁぁ!!やめてね!!やめてね!!」 「間引く、と一言に言っても、そのやり方は特殊なものになります。 普通のゆっくりなら蔦から赤ゆっくりをもぎ取ってしまえばいいのですが、この環境だとそうはいきません。 もぎ取ってしまってもまた新しい赤ゆっくりが実ってしまい、無駄なんです。 必要な赤ありすのみを残して蔦ごと他全部をパテなどで覆うという方法も過去に試したのですが、 そうすると蔦が十分に成長せず、結局栄養が足りなくなってしまうため、この方法も採れません。 ではどうするのか、と言いますと、コレを使って間引くんです。」 そう言っておもむろに腰のバッグから灰色のガチャポンの入れ物のような容器を取り出し、 見込み無しと判断された赤ありすに次々にかぶせていく。 簡単に開かないようにテープで固定し、あっという間に、一つの蔦に最も見込みのある4匹を残して、 その他全ての赤ありすを蔦についたまま閉じこめてしまった。実に鮮やかな手並みである。 「こうすることにより、見込みのない赤ありすには栄養を与えず、 見込みのある赤ありすにのみ栄養を集中させることができ、高品質な素材の安定供給が可能となるんです。」 「いぎゃあああああああああああああああああ!!!やだ!!やだあああぁぁぁ!!」 「あがぢゃんがじんじゃううぅぅぅうう!!ゆっぐりざぜであげてよおぉぉぉ!!!」 「しかも、種付け用ありすは満足にすっきり出来ないストレスと 鉄格子に体当たりすることによる身体的ダメージを蓄積させていきます。 一方の出産用ありすも、無理矢理すっきりさせられること、望まぬ子供を産ませられること、 自分と繋がっていながら決して目の開けることのない閉じこめられた子供を見ること、 いつか人間に奪い取られることに怯え、須く現実となることによる肉体的、精神的ストレスを蓄積させていきます。 しかし、足下に張られたオレンジジュースがそのダメージや精神的なストレスから来る障害を回復させ、死ぬことは出来ません。 その結果、ひたすらストレスを溜め続け、自身の中身をどんどん上質なものにしていくんです。 その上質なカスタードは、子供に受け継がれ、繰り返せば繰り返すほど、より素材としての価値を高めていく、というわけです。」 「只今彼が説明しましたように、代を重ねるごとにより上等なものへと品質を上げていく工夫が凝らされているのです。 因みに、この親から生まれたばかりの赤ありすは絶品の一言。どうぞ、ご賞味下さい。」 ブチッ、ブチッ。 「ありすのあがぢゃんがあああぁぁっぁあぁぁぁ!!!」 「どぼぢでごんなごどするどおぉぉぉぉぉ!!!」 …美味い。生まれたての赤ゆっくりを食べたのは初めてではない。むしろ人よりずっと食べている方だ。 この味はその全ての遥か上を行く。 皮を破くと同時にあふれ出るカスタード、とろりとした食感と共に、上品な甘みが舌を包み込み、更に口いっぱいに広がっていく。 これだけでも相当にいい値が付きそうだ。 「こうして選ばれた赤ありすだけが、一番初めにお見せした飼育棟へ運ばれ、味に深みを加えるために育てられるのです。 では、熟成室の方へ向かうとしましょう。」 ゆっくりいじめ系1697 ゆっくりじゃーの 2に続く
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3312.html
親代わりにできそうなゆっくりを探すこと1時間・・・ 山奥ならともかく、町でゆっくりを見つけるのは難しい そこらの家に勝手に侵入しておうち宣言をしてはすでに潰されているからだ。 探しがてら、スーパーに立ち寄る。 〔おいしい冷凍ゆっくり特売〕 この広告が目に入った。 6個いり398円が105円。これは安い。 昨晩、食べ損ねたため今度こそはと購入する。 店の外に出ると、さきほどまでいくら探しても見つからなかったゆっくりとあっさりと遭遇した。 「ゆっゆっゆっ〜ん♪おちびちゃんたちゆっくりしたごはんたべようね! でも、にんげんさんに見つかったらゆっくりできないからこっそりたべるんだよ!」 「「「ゆっくりりかいしたよ!」」」 成体のゆっくりれいむと、子れいむが3匹だ。 茂みの中から出てきたゆっくりは歩道を縦一列に整列してなめくじのようにずーりずーりと進んでいる。 車にひかれないための知恵だろうか。 直線に目的地を目指しているため、どこへ行こうとしているのかが一目でわかった。 このスーパーのゴミ置き場だ。 「そろーり!そろーり!」 大声で擬音を口にする親れいむ 子れいむ3匹もそれに続く 「「「そろ〜り♪そろーり♪」」」 人間に見つからないように歩くのになんで”そろーりそろーり!”と大声で言うんだろう。 子れいむ達も、この親れいむが子供のときもそういった疑問をもった時期があった。 でも、自分の親がやってる事だし、それに皆で”そろーり♪そろーり♪”と歌うとまるで合唱のようでとてもゆっくりできる。 ゆっくり出来るということは正義だ。 「そろーり!そろーり!」 「「「そろ〜り♪そろ〜り♪」」」 この、なめくじの行列はゴミ置き場のゴミへと一直線に進んでいく。 きっと中に野菜やいろいろな食べ物が入っていることを知っているんだろう。 ゴミといっても家庭用と違い商売でやっているものを腐臭がするまでとっておくことはありえない。 まだまだ普通に食べられるような野菜くずがたくさんつまっているのだ。 このれいむ一家はそれをよく知っていた。 買い物籠が積んである傍のゴミ箱をみると、大根の葉が捨てられていた。 それを買い物袋に1房つめて、入り口を行列の直線上に置く。 親れいむは、買い物袋内の大根の葉しか見えていない。 後ろの子れいむ3匹は前を行く親れいむや姉妹の背中しか見えていない。 「そろーりそろーり!ゆっ、ゆっくりできそうな草さんがあるよ!」 ガサゴソッ 「「「そろ〜り♪そろ〜り♪」」」 ガサガサガサッ 4匹とも仲良く買い物袋に入ったところで、手提げをもってグイッと持ち上げる。 ガサッ! 「はい、野良れいむ4匹捕獲完了!」 「ゆゆっ、ガサッ!はゆっくりできないよ!」 「そろ〜り♪そろ〜っ!ゆっ、おそらをとんでるみたい!」 「ゆゆゆ!うごけないよ!」 「ゆえ〜ん、おねえちゃんおもいよ〜!」 親ゆっくりは自分達が捕獲されたことに気づいて、なんとか買い物袋から逃げ出そうと もみあげをピコピコしながらあがく。 しかし、子ゆっくりがジャマで上の様子すらわからない。 逃げられる心配がないのを確認し、そのまま家までお持ち帰り。 買った特売冷凍ゆっくりタコ焼きも忘れずに回収した。 家に帰ると赤ゆどもが泣いていた。 妹思いの長女1番れいむ 典型的なまりさ種の2番まりさ 食いしん坊の3番れいむ 泣き虫の4番れいむ 寝てばかりの5番まりさ 頭がかわいそうな6番まりさ それぞれの額には油性マジックで番号を振ってある。 2「ゆぇぇええ〜ん!おと〜しゃ〜んかえっちぇきちぇ〜!」 3「ゆ〜ん・・・おにゃかすいちゃよぉ・・・」 4「おと〜しゃん・・・ゆっく」 5「おと〜しゃんとすーりすーりしにゃいとゆっくちねむれにゃいよ・・・」 6「ゆぅ〜ん、ゆゆぅ〜ん・・・」 1「みんな、ゆっくちなきやんじぇね!さびちいのはおねーちゃんもいっしょだよ!」 1番の長女れいむが姉妹を元気付けようとしているが、自分も目に涙をいっぱいに溜めている。 泣き虫の4番れいむに舌を延ばして「ぺーろぺーろ」 「おう、ゆっくりども今帰ったぞ!」 ダンボールからこちらが見えるところまで行って声をかけると ようやく俺が帰ってきたことに気がつく赤ゆども。 2「おとーしゃん!おとーしゃんがかえっちぇきちゃよ!」 3「ゆゆん!れいみゅもうわるいこちょいわにゃいからごはんたべさせちぇね!」 4「ゆわぁぁあ〜ん、おとーしゃんがかえっちゃきちゃ!」 5「おとーしゃん、まりしゃとすりすりちてね!」 6「ゆゆ〜!ゆゆ〜ん!」 1「おと〜しゃん!れいみゅゆっくちみんにゃのめんどうみてちゃよ!ほめちぇね!」 「そーか、そーか、お前らのためにお土産もってきたぞ。 そら!お前らのおかーさんにおねーさんだ!」 買い物袋から乱暴に野良れいむと子れいむを引っ張り出す。 ダンボールの中からも見えるようにテーブルの上に置いた。 「「「「「「おかーしゃん!?」」」」」」 ゆっくりは思い込みが強いと言うからな、そこらの野良れいむでも これが母親だと言われればあっさりと信じてくれるはずだ。 父親だと勘違いしてる俺の言うことだから尚更だろう。 テーブルの上の野良れいむもダンボールの中の赤ゆどもがよく見える。 「ゆ?なにこの汚いおちびちゃん」 赤ゆどもを見て、汚いと言い放ったのは親れいむだった。 それに子れいむ達がつづく。 「なんだかこの赤ちゃんたちゆっくりできないよ!」 「それにくさいね!おーくさいくさい!」 「えんがっちょ!えんがっちょ!」 普通、野良にとって飼いゆっくりは美ゆっくりであり羨望とすっきりの対象なはずだ。 ところが、加工場産の食用ゆっくりは何か特別なマイナスの要因があるようで、むしろ醜ゆっくりに見えるらしい。 こいつらに子守と教育係を任せようと思っていたがこの調子じゃ無理っぽいな。 そんな事を考えていたら、野良れいむ達が勝手にテーブルの上にあったリンゴとミカンをむさぼりはじめた。 「こんなところにリンゴさんがあるよ!むーしゃむーしゃ、しあわせ〜♪」 「なにこのきいろいの!にがくてぜんぜんゆっくりできないよ!ゆっくりできないコロコロはゆっくりしんでね!」 「ここは、れいむたちのおうちだよ!ばかなおちびとじじいはゆっくりしないででていってね!」 「きたいないちびどもにしーしーかけてきれいきれいにしてあげるね!ゆっくりかんしゃしていいよ!」 リンゴの汁を撒き散らしながら食べかすがテーブル下のカーペットにまで飛び散ったり ミカンに体当たりをして、なかなか潰れないとわかるとそれをテーブル下に押し出して捨てた。 こちらを見る目はまるで下等生物を見るかのように見下していて、下あごを突き出して「ゆっへん!」と鼻息を立てている。 もう1匹は、テーブルからダンボール内の赤ゆめがけて小便をしようとしているが、カーペットのシミとなって届かない。 冷静に入ってきたドアを閉めてから、チャッカマンを取り出す。 「えー、こいつらがおかーさん、おねーさんというのは嘘です。 こいつらは悪い見本だからこれから懲らしめます! 悪いことをするとこういう目に合うよというのをゆっくり見ていってね!」 いきなり「汚い赤ちゃん」とか「くさい」と言われた赤ゆども 戸惑いながらも、おとーさんの言うことだから 左手で、ひょいっと子れいむの髪をつまんで持ち上げる。 赤ゆ目掛けてしーしーをしていた奴だ。 溜まっていた水分を排出して気持ちよさそうに「しゅっきりー♪」と言おうとした「しゅっ♪」の時に阻止。 「ゆっ、れいむゆっくりおそらをとんでるみたい!」 右手に持っているチャカマンからはポッと火が灯っている。 それに気づいたテーブルの上に残っている親れいむ。 「ゆっ!おちびちゃんになにするの! そのはこのきたいないビチグソとちがってれいむのかわいいこだよ! ゆっくりりかいしたらはなしてね!」 ぷくーっと膨らんでこちらを威嚇している。 チャッカマンのスイッチをカチカチと火をつけたり消したりして親れいむとダンボールの中の赤ゆどもに見せ付ける。 それからゆっくりと左手にもっている子れいむの底部に火を当てた。 「ゆぴゃぶぴゅぴぃぃぃいい!」 ビクッとテーブルの上からみかんを転がり落として遊んでいた子れいむと偉そうに「ゆっへん!」としていた子れいむも気づく。 親れいむは 「やめでねぇぇえええ!れいむのかわいいかわいいこどもをたずげでねぇええ!」と叫んでこちらへ体当たりをしようと ぴょこんぴょこんとテーブルの端で跳んでいる。 「かわいい子を助けないでいいのか?」 じっくりと、ゆっくりと子れいむの足を炙る。 子れいむを摘んでいる左指を焼けどしてはかなわないので直火ではない。 それでもゆっくりと子れいむの底部は黒く変色していき1分もしないうちに炭化し二度と動くことができない体になった。 その子れいむをポイッとテーブルの上に捨てる。 「れいぶのがわいぃこどもがあぁぁああ!」 「れいむのおねーちゃんがぁああ!」 「なんでこんなこどするのぉぉお!」 はいはい、順番だよ。 お次はみかんをテーブルから落とした子れいむ。 狭いテーブルの上では逃げ場もなく簡単に摘み上げる。 「やめてね!はなしてね! れいむはまずいコロコロをすててただけだよ!ゆっくりりかいしてね!ばかなの!しぬの!」 「れいぶのごどもをはなぜぇぇええ!」 またテーブルの端でぴょんぴょんっと跳ぶだけの親れいむ。 2匹目はちょっと慣れたので火をさっきより近づけてスルメ焼き。 「ぐぴょぷぽぉぴょぶぉぉぉおおおおお!」 小麦が焼ける香ばしい香りが部屋の中いっぱいに広がる。 それからテーブルへポイッ。 ゆっへんと威張っていたれいむも立て続けに姉妹の足が焼かれるのを見てすっかり逃げ腰になっていた。 「そろーりそろーり!れいむはにげるよ!」 もみあげをじったんばったんしながら大慌てで、されど跳ばずになめくじのようにずーりずーりと逃げる。 人間からは「そろーりそろーり」と逃げる、そうやって教わったからだ。 テーブル上の子れいむをチャッカマンの火で追い立てる。 「やめでぇねぇ!こっぢごないでね!あぢゅいぃぃいい!」 わざと追いつかないようにチリチリとお尻を焼きながら追い立てる。 そこへ親れいむが割って入った。 「れいぶのごどもを・・・あぢぃぃぃいいいい!」 「よーし、お前がチャッカマンの火に耐えれば子供は焼かれないぞ。」 木製のテーブルに焦げ跡が残ってしまわないようにちょっとチャッカマンの先端を浮かせて水平に親れいむに火をあてる。 鼻先がジュッと焦げて親れいむは叫びながら大粒の涙を流す。 「あじゃじゃじゅじゅぃいい!」 「そろーりそろーり♪ゆっ、どぼぢでじめんさんがもうにゃいのぉおおお!」 子れいむは遠くまで逃げようとするがそこはテーブルの上。 一番端までたどり着けば後は崖があるだけだ。 その間にも親れいむは火を当てられている。 「あびゃびゃびゃびゃびゅぅうううう〜!こんじゃのぶりにぎまってるでぢょぉおおお!」 結局、10秒ももたないで転がって逃げた。 髪飾りのおリボンが焼けて原型を留めていない。 「なんだ、もうお仕舞か?じゃあ子供を焼いていいってことだよな自分からどいたんだから。 ほ〜れほれ、あつ〜い火が子れいむちゃんに近づいてくるぞぉ」 わざとゆっくりと子れいむに火を近づける。 「たずげでぇおがあじゃぁあ〜ん!」 「にげでねぇええ!ぞごからとびおりでねえぇええ!」 ゆっくりにしては良いアドバイスだった。 子ゆっくりにしてみればテーブルの高さは崖の様に見えるが、重量も少ないため痛い思いはしても死にはしない。 火に焼かれるよりはよっぽどマシだ。 「ごわぐでむりだよぉぉおお!」 しかし、子れいむはそれでも跳べない。 自分の背の数倍もの高さがあるテーブルは人間からすればビルの3〜4階相当。それは本能的に恐怖を与えるのに十分であった。 「にげないでいいのかぁ?ほ〜れ火がそこまできたぞぉ〜」 とうとうチャッカマンの火が子れいむのほほを焦がすところまできた。 「あじゅいぃぃい!たじゅげでおがあじゃぁああん!おどぉじゃぁあ〜ん!」 「おちびじゃんはれいぶとまりざのごどもだよぉお!とべるがらがんばってねぇええ!」 かつて、このれいむ達には一家の大黒柱であるまりさがいた。 人間に捕まって子まりさもろとも殺されてしまったが、生きていたころはそのまりさが一家を支えていた。 ゆっくり的には素敵なまりさ。その雄姿を思い出す子れいむ。 「おどぉおおじゃぁあ〜ん!れいぶはとぶからゆっぐじゆうぎをちょうだいねぇええ!」 跳んだ。 精一杯の高さを跳んだ子れいむ。 わざわざ落下のダメージが増すような跳躍だが、恐怖で動けない体を奮い立たせるためには仕方がなかったのだろう。 「ゆぴゃ!」 ゲシッと地面に叩きつけられる。 餡子を吐き出してはいるが絶命には至らない。 「おちびちゃんやったよ!ばかなにんげんからにげのびたよ!ゆっへん、さすがれいむとまりさのこどもだよ!」 親れいむは、こちらを睨んで”ざまぁみろ”と言いたげな表情でふんぞり返った。 「やったよ・・・れいむはいたいけどとんでにげられたよ・・・ゆっ?」 地面に落ちた子れいむをヒョイッと掴みあげる。 「はいはい、ごくろうさん♪」 それからチャッカマンでチリチリチリ・・・。 「ゆぴゅぴゅぴゅぷぃぃいい!あじゅぃぃいい!なんじぇええええぇええ!れいぶとんじゃのぉにぃいい!」 他の姉妹よりも念入りに焼いて産道のあたりまで真っ黒こげ。 「れいぶのおちびじゃんがぁああああ!」 さっきまでふんぞり返っていた親れいむも両のおめめを見開いて大口を開けて固まっている。 足が焼かれて動けない子れいむ3匹を鼻先と髪飾りを焦がされた親れいむに返してやりお仕置きが終了した。 命まで取らないのは俺が愛でお兄さんだからさ! 乱暴に4匹の髪をひっつかんで庭先に捨てる。 「ゆべっ!」 「ゆぴっ!」「ゆぴゅ!」「ゆぎゅ!」 人間がまたげる程度の低いコンクリートブロックの塀も足が焼かれた子ゆっくりは越えることができない。 それが道路と庭とを遮っているので、もうどこへも行くことができないだろう。 親ゆっくりがこいつらを見捨てなければ、この庭の草でも食って雨が降るまでは生きられるかもね。ゆっくりゆっくり。 「おがあぁああちゃ〜んれいぶのあんよがいちゃいよぉぉお!」 「ぴぎゃあぁあ!すーりすりしないでねえぇ!いちゃいよぉおお!」 「なんじぇれいむがこんなめにぃぃい!」 「おちびちゃんたちごめんね!ごめんね!ゆっぐりぢていっでね!」 動けない子れいむに寄り添う親れいむ。 ゆっくりしていってね! さて、赤ゆどもがやけにおとなしいけど このちょっぴり刺激の強い教育番組をちゃんと見ていてくれたかな。 悪いことをしたらゆっくりできなくなる。忘れっぽいゆっくりもトラウマとして餡子に刻まれれば効果はあるはずだ。 1「・・・ギュププププ」 2「・・・ゅうゅぅう」 3「・・・ぴゅぷぷぷぷ」 4「・・・ぴぃ・・・ぷぴぃぴぃ」 5「・・・zzz・・・zzz」 6「・・・ゆぅぅぅう」 残らず泡を吹いて気絶していた。 ちょっと薬が効きすぎたか。 しばらく、そっとしておいてやろう。 だけど5番まりさだけは帽子をとってダンボールの上のところへ乗せておいた。 目が覚めたら「まりしゃのおぼうしさんおりてきてねぇぇええ!」とか始まるだろう。 さて、一息ついて さっき買った特売の冷凍ゆっくりタコ焼きを取り出す。 昨日は食べそびれたから、こいつらが寝てる間に食べる。 ふんふんふん〜♪っと鼻歌を歌いながら パッケージを開けると、中から6個のれいむとまりさの赤ゆっくりが出てくるはずが 頭が半分食べられている赤れいむと赤まりさが5匹と1匹の少しサイズの大きな別種のゆっくりが凍っている。 緑色に尻尾が2本。 「わかるよー」が口癖のゆっくりちぇんだ。 これから食べようと思っていたまりさとれいむがもう食べられてるじゃないか。 まさか、この子ちぇんがやったのか? この冷凍ゆっくりタコ焼き買ったときは値段ばかり見て気づかなかったがパッケージも微妙におかしいぞ。 普通のゆっくりタコ焼きはれいむとまりさの笑顔で「おいしいよ!」なんて絵が描かれているが このパッケージのれいむはふんぞりかえっていて「ゆっへん!ゆっくりタコ焼き!」なんて絵柄になっている。 おそるおそる裏面をみると、原産国がめーりんになっていた。 とりあえず、凍ってるちぇんをオーブンで加熱して起こしてみよう。 待つこと数分・・・。 チーン! 「わかるよー!・・・あじゅぃぃいいい!わからないよぉぉおお!」 オーブンの蓋を開けてちぇんを取り出す。 ・・・つづく。 過去の作品 ゆっくりいじめ系1222 ゆっくり繁殖させるよ! ゆっくりいじめ系1254 赤ちゃんを育てさせる ゆっくりいじめ系1261 水上まりさのゆでだこ風味 ゆっくりいじめ系1297 ゆっくり贅沢三昧・前編 ゆっくりいじめ系1466 ゆっくり贅沢三昧・後編 ゆっくりいじめ系1467 まりさの皮を被ったアリス ゆっくりいじめ系1468 肥料用まりさの一生 ゆっくりいじめ小ネタ222 ゆっくっきんぐ ドナーツ編 ゆっくりいじめ系1532 可愛そうな赤ちゃんにゆっくり恵んでね ゆっくりいじめ系1580 ゆっくりしなかった魔理沙と愛のないアリス ゆっくりいじめ系1673 ゆっくりクアリウム ゆっくりいじめ系1715 ゆっくりトイレ ゆっくりいじめ系1735 ゆっくりれいむと白いお部屋 ゆっくりいじめ系1743 プラチナまりさとフリーすっきり権 ゆっくりいじめ系1761 ちょっとしたイタズラ ゆっくりいじめ系1905 あったかいゆっくり ゆっくりいじめ系1935 しゃべらないゆっくり ゆっくりいじめ系1940 愛されまりさの一日 作者:まりさ大好きあき
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1762.html
※ドロワの中設定あり 大通りに面した場所に、小さなお好み焼き屋があった。 プレハブ建築の一階建て、おそらく近年できた店なのだろう。 こじんまりとした建物のなかに、客は一人だけだった。 時刻は午後5時。 夕食時には、まだまだ早い時間だった。 閑散とした店内で、一人の少女が鉄板に向かっていた。 少女はお好み焼きの生地を、熱心にかき混ぜている。 理知的だが、どこか勝気そうな表情。 まっすぐに伸ばした背筋に、きっちりと着こなした制服が似合っている。 きびきびと動く仕草は小気味良いものだったが、一見すると小学生に間違えるほど少女は小さかった。 彼女の名前は極楽いちご。 私立ゆっくり学園に通う、17歳の高校3年生だ。 「ゆぽ・・・・・・こぽぷっ・・・・・・」 生地の中から、声が聞こえてくる。 大きな飴玉くらいの大きさの生物が、箸の動きに合わせて循環している。 生地の中に入っているのは、ゆっくり種と呼ばれる生物だった。 ゆっくり種は人間の生首を模した生物。 人間の頭部を切り取ったような身体は、バスケットボール程度の大きさまで成長する。 下膨れの顔面をした、巨大な蛭を想像すれば、わかりやすいだろう。 人語を理解し話すこともできるが、その性格は傲慢にして無知。 傍若無人に振舞う態度に、嫌悪感を抱く人間も多かった。 ゆっくりたちの中身は、餡子やカスタードといった、生物の存在に真っ向から挑戦するものだ。 学者たちはゆっくり種の存在に頭を悩ませていたが、食用となる中身は甘味料の代用品として、 安価に出回っていた。 極楽いちごのいるお好み焼き屋も、ゆっくり種を使用している。 通常メニューに加えて、ゆっくり種を使用した料理もあった。 プチゆっくりの入ったスイーツメニュー、「ゆ好み焼き」である。 餡子、カスタード、生クリーム種のゆっくりを生地に混ぜ、ソースは水あめの混ざったメイプルシロップで食べる。 女性向けとして作り出された一品だったが、生きたままのゆっくりを使っているため、嗜虐嗜好全開のグロテスク料理だった。 珍しさから注文する一見の客もいるが、もがき苦しむ赤ちゃんゆっくりがあまりに無残なため、リピーターは少ない。 日常的に消費するのは、酔っ払った男性客か、特殊な趣味を持った者だけである。 極楽いちごは後者の人間だった。 捕らえた獲物をなぶり殺す猫のように、いちごは生地にまみれた赤ちゃんゆっくりを弄んでいた。 一度かき混ぜてしまえば、生地に飲まれた赤ちゃんゆっくりたちは、穏やかに窒息死する。 料理用に使われる赤ちゃんゆっくりは、ごく小さな個体が多いので、一度生地に埋もれてしまうと自力では這い上がれなかった。 苦しみの声を聞きたくない人間であれば、窒息死させたあとで鉄板に流し込むだろう。 だが、いちごはわざわざ箸で助け起こしていた。 すぐに生地を焼くのでもなしに、呼吸困難のさまを観察している。 「えにゅ・・・・・・がっふぇ・・・・・・」 「エ゛エ゛・・・・・・ごぼぼ・・・・・・」 狭い店内に、酸素を求める赤ちゃんゆっくりの悲鳴が響く。 だがその声に応えるものはいない。 苦痛を与える当事者だけが、その声を堪能しているのだ。 季節外れのセミのように、赤ちゃんゆっくりは無意味な泣き声をあげていた。 いちごはゆ好み焼きが好きだった。 虐待嗜好を満たされることもあるが、なにより料理内容が気に入っていた。 生地の中には、さまざまな種類のゆっくりがいる。 身体が弱くて物静かなゆっくりパチュリーも、自分勝手なゆっくり魔理沙も、感情的なゆっくり霊夢も、みな平等に苦しんでいた。 髪飾りを取られ、髪の毛を削ぎ落とされたゆっくりたちは、声だけが種類の違いを認識する手段だった。 その声も、激しい攪拌で区別がつかない。 ゆっくりたちの個性は、生地の中で溶け消えようとしていた。 平等に苦しみ、平等に溶けている。 日常生活の鬱憤をぶつけるように、いちごはくるくると生地を混ぜていた。 中にいるゆっくりたちは、ほとんど溺れ死んだような状態。 ゆ好み焼きはクライマックスを迎えようとしていた。 いちごはおもむろに、生地を鉄板の上に流し込んだ。 焼けた鉄板が、ゆっくりたちを焼いていく。 「がばぁ! ひぎゃぁぁぁぁぁっ!! あぢゅいよおぉぉぉ!!!」 「むぎゅうう! むぎゅぅぅぅぅぅうぅぅ!!!」 「だぢゅげでえぇぇぇぇぇぇ!!!」 くすぶり続けた枯れ木が一気に燃え上がるような、絶叫の渦。 生きたまま焼かれるゆっくりたちの、断末魔の悲鳴だった。 熱せられた鉄板はゆっくりたちの体内を凝固させる。 生命活動に必要な熱量を超えた高温が、ゆっくりたちの生命を急速に奪っていった。 いちごは食い入るように、赤ちゃんゆっくりを見つめていた。 薄く張り付いた微笑。 哀れみの混ざった表情だった。 「やめちぇ・・・・・・ひいぃ・・・・・・ひぃ・・・・・・」 「ゆぶ・・・・・・・ぶ・・・・・・」 悲鳴は次第に小さくなっていき、やがて聞こえなくなった。 もはや小さなふくらみがあるだけの、至って普通のお好み焼きである。 いちごは自分の成し遂げたことに、充足感を覚えていた。 じっくりとかき混ぜていたぶった後、一気に鉄板の上で昇華させる。 職人顔負けの、見事な仕事だと自負していた。 満足のいく虐待に、ゾクリとした快感が、いちごの身体を貫いた。 熱で当てられたように顔が熱くなるのを感じる。 苦痛の表情で固まったゆっくりたちが、いちごの視界を刺激し続けていた。 極楽いちごは自分の子供っぽい本名を、嫌っていた。 小柄な体型も相まって、必要以上に子ども扱いされることが多かった。 同級生に優しく扱われることは不快ではなかったが、食事中に生暖かい視線を感じることがある。 それは小動物を見るような視線。 入学した当初は同級生と親しむために甘んじて受け入れていたが、その扱いは次第にいちごにとって不快感に変わっていった。 可愛いという言葉は、己を侮辱する言葉だと思う。 年相応の扱いを受けたいいちごにとって、軽視は自分の人間性に対する挑戦なのだ。 もっとも、一度固定した扱いを変えることは難しい。 いちごの友人たちはそれほど悪い人間ではなかったため、なかなか言い出しにくかったのだ。 そのままずるずると月日が経ち、いつの間にか1年以上経っていた。 いちごが日常的に屈辱感を感じることは多々あった。 高校生になった今でも、私服で出歩いたときなどは、小学生に間違われる。 小柄な肩幅が、年齢以上にいちごを幼く見せていた。 たとえば友人たちと映画館に行ったときなど、毎回のように問答があった。 「『ゆヒドゥン』、高校生一枚ください」 「えっ? ・・・・・・学生証をお願いします」 わざわざR15の映画を見るほうも悪いのだが、毎回恒例のやりとりにいちごは辟易としていた。 友人たちは、学生証など確認されていない。 いちごだけが、提示を求められていた。 苦笑する受付のお姉さん。 ニヤニヤ笑う友人たち。 屈辱的な自分。 いちごは自分の扱いを、不当に感じるのであった ストレスがたまると、校内で飼われているゆっくりたちを虐待するのだが、 それでも足りない場合は、ゆっくりを取り扱う料理屋に行き、たまった鬱憤を晴らすのだった。 ゆ好み焼きは小麦色に焼き色が付き、甘い匂いが店内に広がっていた。 いちごはへらをつかい、生地に埋まったゆっくりを真っ二つにした。 大きく口を開けた赤ちゃんゆっくりが、二つに分かれてへにゃりと崩れた。 ### 少し早い夕食を食べ終わったいちごは、料金を支払うと、寮へを帰っていった。 校門で外出証を見せ、当直室に向かう。 これから外出するのであろう2、3人のグループが、楽しげに談笑しながら脇を通っていった。 知らない顔ぶれ。 下級生たちなのだろう。 いちごは当直室のドアの前に来た。 学園の寮内に住むものは、人員把握のために外出証が必要だった。 門限も厳しく定められているため、深夜外泊など当然できない。 もし規則を破ろうものなら、連帯責任で寮内の全員があおりを食うため、表面上規則は守られていた。 いちごはドアをノックして返事を待つ。 応答の声。 いちごは当直室に入った。 「失礼します」 「おかえり。極楽はやいねぇ、もう帰ってきたの?」 「はい。外出許可、ありがとうございました」 当直室のソファにもたれかかって、雑誌を読んでいるのは、本日の当直教師、千夜先生だ。 いちごは軽く会釈すると、外出証を機械に通した。 小さな札が吸い込まれ、機械がカリカリと音を立てる。 いちごは機械を見つめながら、ゆっくりたちの叫びを思い出していた。 機械のように無反応なら、虐められることもないのに。 いちごは機械を見つめながら、さきほどの料理を思い出しているのだった。 どこかぼんやりとしたいちごの動作に、千夜は思い当たる節があった。 教師としての感性が反応する。 「・・・・・・お前、またやっただろう?」 「何がですか?」 「とぼけちゃって。コノヤロウ、またゆっくりを虐めたんだろ? 私には判るんだよ」 校外でのゆっくり虐待は禁止。 生徒たちの表情を見慣れている千夜は、敏感にそのことを読んだのだ。 いつの間にか千夜は、いちごのそばに立っていた。 意地悪な微笑を浮かべて、いちごを見下ろしている。 その身長差に、いちごは本能的に反発心を感じた。 「何もしてません。ちょっと外の空気を吸いたくなっただけです」 「へぇえ」 一物含んだ千夜スマイル。 おもむろに立ち上がった千夜は、いちごの背後に回ると、小さな身体を両腕で抱え込んだ。 「ちょ・・・・・・先生!?」 「ウソばっかり。ほんとはやったんだろ?」 「やってませ・・・・・・あっ、何を」 がっしりと身体をつかまれたいちごは、動こうにも動けない。 逃れようと抵抗するが、その体格差は絶望的。 ライオンとシマウマの戦いのような、一方的な蹂躙なのだ。 耳元にかかる千夜の吐息に、いちごはゾクリとしたものを感じた。 「せ、先生、やめてください」 「先生嘘つきは嫌いだよ。正直に言いなさい」 「だ、誰が・・・・・・あっ」 いちごの薄い胸元から降りていった千夜の手が、スカートのなかに潜り込んでいく。 太ももを撫でるようにつたっていき、布で隠されたいちごの敏感な部分に触れた。 「いい加減に、してく、ださい」 「ダメだね。悪い子にはお仕置きだ」 捲り上げられたスカートが、いちごの下着を晒している。 股間に添えられた手が、ゆるやかに移動していた。 指先が、柔らかい丘陵に触れる。 「くぅぅ」 「あれあれ?」 千夜が触れた布地は、じんわりとした湿り気をもっていた。 汗とは違った、特定部位にしかできない染み。 千夜はにんまりと笑った。 「何かしら? 変な湿り気があるわね」 「!?」 いちごは身体を硬直させる。 ゆ好み焼きでの遊びは、確かにいちごに興奮を与えていた。 精神の快感は、無意識のうちに肉体にも及んでいたのだ。 「お前、高校生にもなって、お漏らししたの?」 「ち、違います・・・・・・そんなこと・・・・・・」 「ふーん、じゃあこれはなんなのかな? ・・・・・・まったく、お前は仕方ない奴だよ」 「あ! ああぁ!」 獲物を絡め取った蜘蛛のように、千夜の手はいちごの身体をまさぐっていった。 胸をまさぐり、股間に添えた手をぐりぐりと動かす。 下着の染みは、徐々に大きさを増していった。 羞恥の色に染まったいちごの顔。 気づかれてしまった恥ずかしさからか、抵抗力は次第に小さくなっていく。 いまや千夜の両腕を握り締め、真っ赤になってうつむいている。 「あれ、大人しくなっちゃった。観念したの?」 「・・・・・・」 「正直に言いなさいよ。でないといつまで経っても終わらないよ?」 「・・・・・・」 いちごは答えたくなかった。 力で相手に言うことを聞かせようとする人間に、克己精神が反応したのだった。 とにかく反発してやろうと思う。 「意地っ張りね」 「んんッ」 千夜の指が、布地のスキマからしっとりと濡れそぼった中に潜り込んだ。 下着の中はヌラヌラとした愛液が溢れ、千夜の指に絡み付いてくる。 力を加えなくても、どこまでも入っていきそうだった。 「こんなに濡らして、そんなに楽しかったのか?」 「やあぁ・・・・・・やめ・・・・・・て」 未だ男を迎え入れたことのない部分を弄られ、恐怖と快感の混ざった感情がいちごの中を蠢く。 潤滑された千夜の指は、コリコリとした陰核を押しつぶした。 「くぅ・・・・・・んっ・・・・・・あぁん」 緩急をつけた指使いは、強制的に快感を引きずり出す。 いちごは口に手を当て、声が漏れないようにしていたが、与えられる快楽の大きさは、 自制心を上回りつつあった。 千夜の指がいちごの秘所をこね回すたび、口元から声が漏れる。 狭い当直室内に、淫靡な声が響いた。 いちごの声を堪能した千夜は、次の場所目掛けて指を動かした。 粘液にまみれた千夜の指は、陰部を通り過ぎ、肛門をまさぐった。 きっちりと閉じたつぼみの中に、愛液に濡れた千夜の指が潜り込む。 驚くほどの締め付けが、千夜の指に伝わってきた。 「あ、あ、あ」 いちごは太ももを締め付けて必死に抵抗していたが、腰に力が入らない。 体内に潜り込んできた指に、激しい恐怖感を覚える。 慌てて千夜の腕を戻そうとしたが、少しも動かない。 先ほど感じた反抗心はすでになりを潜め、いちごは許しを求めるようになった。 「ひいぃ・・・・・・ごめん、なさい。ごめんなさいごめんなさい」 「謝らなくてもいいわよ。ほんとの事を聞きたいだけ。・・・・・・ゆっくりを虐めてきたんでしょ?」 「あう、ううう、し、しました。ゆっくりを、やうぅ、虐めました。虐めましたぁ」 「やっぱりね。最初から素直に言いなさいよ」 千夜はようやくいちごの身体を解放した。 へたり込んだいちごは、当分の間、立つことができなかった。 自分自身を抱きしめて、座り込んでいる。 千夜は興味をなくしたようにソファにもたれると、雑誌を読み始めた。 「これからは気をつけること。さ、戻ってもいいわよ」 「・・・・・・」 身体が動くようになったいちごは、逃げるように部屋を出て行った。 乱暴に閉められたドアが背後で大きな音を立てる。 いちごは階段を一気に駆け上がり、自室に飛び込んだ。 荒い息をついている。 いちごはベッドに飛び込むと枕に顔を埋めた。 握り締められた拳が、大きな枕を叩く。 生まれて初めて、他人から与えられた快感に対する屈服。 少しでも快感を感じてしまった自分の精神が恨めしかった。 果てしない屈辱感がわき上がってくる。 絶対に、絶対に許さない。絶対にだ。 ギラギラした瞳のなかには、怒りの情念が宿っていた。 夕焼けの寮内に、今一人の復讐者が誕生したのだった。 おわり 次回予告 復讐に燃えるいちごだったが、火照った身体を沈めるため、イケナイ一人遊びを行った。 突然開くドア。好奇と軽蔑の瞳がいちごを貫く。 次回ゆっくり学園 「大ピンチ! 同級生の甘い罠 禁断の同時絶頂(ダブルフィーバー)!!」 どうぞお楽しみに。 あとがき お読みいただきありがとうございました。 チル裏で出ていたゆ好み焼きネタを使わせていただきました。 TRPGのロールプレイをしている感覚で書いたのですが、途中で死にたくなったりも。 ガープスでサディストのキャラを使ったら、物語が破状しそうになった極楽151号でした。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1249.html
※汚いです!!お下品です!!スッカスカです!! こんにゃく 「うわぁ・・・ねーわ、これわ・・・」 便所で用を足しながら男は漏らす。男の尻からは茶色く染まった糸コンニャクがプルプルと震えていた。 「すき焼きなんか久しぶりに食ったからなぁ、普段ろくなもん食ってないからかね・・・・・んほおぉぉ!!!」 掴んだコンニャクを引き抜くと、男の口からはキモイ声が漏れた。 「あぁー、気色悪ぅ・・・何かまだケツに違和感あるわ・・・」 手を洗いながら愚痴る男はあることを思いつく。 そういやゆっくりって基本排泄しないけど、石や砂食うと消化できなくて餡子が砂利になるって聞いた事あったけか。 人間で消化できねーんだから、コンニャク食わせまくると甘いコンニャクになるんかね・・・。 ん?これってカロリー気にするくせに、アホみたいに食いまくるスイーツ(笑)相手に馬鹿売れじゃね?あれ、俺天才? 寝起きの脳は突拍子も無いことを思いつくから恐ろしい。男は一攫千金を夢見て実験を開始した。 「流石にゆっくりでも味気ないコンニャクは大量に食えんだろうからな。」 そういって男は前日のすき焼きの残り汁で甘辛く糸コンニャクを煮詰めていく。これに卵を落として、熱々の白飯にかけて食うのが男の ジャスティス!!だが、この世紀のゆっくりスイーツ(笑)計画の成功の暁には、すき焼きだって食べ放題!!目先の欲に捕らわれるな どは馬鹿のすることなのだ。そうして男は大量の煮込みコンニャクと、甘さを増すためのオレンジジュースを持って家を後にした。 「そこのけ、そこのけ、お馬が通る~・・・お、饅頭めっけ。ヘイ!ゆっくりしようぜベイベー?」 「ゆ!!ゆっくりしていってね!!」 あからさまに不審な様子の男に笑顔を返すれいむ。良い子は知らない人とやたら絡んじゃダメだぞ!! 「あのさ、最近お兄さん料理に凝っててさ。よければ試食してくれる人探してたんだけど食べてくれないかい?」 「ゆふふん!!れいむのしたは きびしいよ!!ゆっくり しんぎしてあげるから はやくよういしてね!!」 「へいへいどーも。じゃあ口開けてくり。」 「あーーー・・・・・っじゅじゅじゅじゅじゅううぅぅ!!!??」 あ、冷めてるかもと思ったけどやっぱ熱かったか。流石コンニャク、油断ならねぇな。 必死に吐き出そうとするれいむの口を押さえて、何とかたぎるコンニャクを飲み込ませる。 凶悪なコンニャクを腹に納めたことを確認すると手を離してやる、れいむはゴジラのように口から湯気を吹きだしている。 あー・・・ガキの頃の冬に寺子屋行く時にそんなんやってたっけか、そんな呑気な男と対照的にれいむは真っ赤になり限界も近い。 「みじゅ!!みじゅちょうだいいいぃぃぃ!!!!!!」 「あぁ、ジュースならあるぞ。」 そう言って用意していたオレンジジュースを注いでやる。 トポポポポポ・・・・・ごーく、ごーく・・・しあわせ~♪ 涙を流しながらそう言うれいむの顔は、見たこと無いほどの幸福感を纏っていた。あらウザい。 「ゆげっふぅ・・・いきなりひどいことする じじいはしねぇ!!!」 「落ち着いたと思ったらそれかい。本当にれいむは辛口なんだね。」 「ゆがああぁぁぁ!!!そういうもんだいじゃないいぃぃ!!!」 「残さず食っといてそこまで言うとは・・・お前は雄山先生か。」 フーフーと荒い息を吐く饅頭を軽くいなす。餡子脳なんてまじめに相手にするだけ損だってもんだ。 しばらくキーキャーと騒いでいたれいむであったが、ふと静かになったと思うと急にそわそわしはじめた。 「ゆぐぅ・・・なんだかムズムズしてきたよ・・・」 「パンツマンかおめーは。まぁ、あんだけ飲み食いすりゃ出るもんもあるわな。俺は気にせんからそこらで済ましちまえ。」 「ゆうぅ、いわれなくてもそうするよ!えっちなじじいはこっちみないでね!!」 そう言って近くにあった木に向かっていくれいむ。饅頭の羞恥心なんざ理解できんね、そんなことを思った矢先 「ち~い~♪ち~い~♪しあわっへあああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」 「あぁん?どうしたよいったいい”っ!!??」 「れいむの!!れいむのあそこから なんがででる”うううぅぅー!!!」 男が目を向けると、そこには顎下から大量の糸コンニャクの束をブラブラさせるれいむの姿が!! 餡子汁で黒茶色く染まり、ねちゃねちゃと音と糸を引くそれはまるでトイレのあいつの生き写しである。 糸コンニャクは男の予想に反し、れいむの体に溶け込む事無く排泄口より尿と一緒に流れ出てきたのだ。 「いやあああああぁぁぁぁぁ!!!ごれぬいでえええええぇぇぇぇぇ!!!!!!」 「どわあああああぁぁぁぁ!!!??ちょ!!!おま!!?こっち来んなあぁぁっ!!!」 でゅるでゅると顎下から糸コンを垂らし、激しく汁を飛ばしながら体を揺さぶる姿はもはや18禁ものである。 「えーんがちょ!!えーんがちょ!!お前は森へ帰れ!!ゴーホーム!!!!!」 「ひどいっ!?なんでぞんなごどい”う”の”おおおぉぉぉぉ!!!!???」 「るせぇ!!去らんと言うなら人類のために即刻叩き潰したらぁぁ!!!」 「ゆうううぅぅぅぅ!!!ゆっくりできないいいいぃぃぃぃ!!!!!」 そう言い残すと、泣きながられいむは森へと帰っていった。その後にナメクジのごとく黒い糸を残して・・・。 「ふぅ・・・。まさかスイーツ(笑)で一儲けのはずがあんなクリーチャーを生み出してしまうとは・・・ 科学には危険がつき物なんだな・・・あな恐ろしや・・・。」 そう言うと男は力なく歩き出した。素直にすき焼き卵丼食ってりゃ良かったよ!!ちくしょう!!! 一方れいむは・・・ 「ぎゃあああああああああぁぁぁぁ!!!!!ごっちごないでえええええぇぇぇぇ!!!!!」 「ぎもい!!!おもにかおがぎもいいいぃぃぃ!!!」 「ゆ”わ”あ”あ”ああああぁぁぁ!!!!!だれだどっでよ”お”お”おおおおぉぉぉぉぉ!!!!!」 どうにかコンニャクを抜いてもらおうとするも、仲間のゆっくりは気味悪がって皆逃げ出してしまう。 かといって口の下など咥えられるはずもなく、自分の力ではどうすることも出来ない。 れいむは一人、孤独にコンニャクを揺すり続けるのであった。 終われ 作者・ムクドリ( ゚д゚ )の人